Q&A3855 23週死産後着床しません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 36歳から不妊治療をして、現在40歳

 

顕微授精で胚盤胞にはなりますし、着床前診断(PGT)を行って正常胚も見つかりますが、一度妊娠して23週で死産し、その後正常胚移植3回着床しません。中隔子宮の手術後も正常胚移植2回妊娠しません。
①新鮮胚移植12細胞→陰性
②自然周期 胚盤胞4BB 排卵日を0日として4日目に移植→陰性
③自然周期 胚盤胞3AB 排卵日を0日として4日目に移植→陰性
④PGT正常胚 血液凝固第12因子わずかに異常で移植日からバイアスピリン、Th1/Th2も軽度異常で移植前2日からタクロリムス2mgを内服 ホルモン補充周期(エストラーナとルテウム)125時間、3AB→妊娠するも、23週で死産。染色体検査や胎盤の病理検査しても原因不明。どこも異常がない。慢性内膜炎や子宮内膜症なし。この頃は双角子宮と言われていて、それも関係ないと言われました。また、死産の1ヶ月くらい前に腰痛と原因不明のCRP3の軽度の上昇がありました。WBC上がっていないので、経過観察のみで、こちらも関係ないと言われました。他の妊娠経過は至って順調でした。死産後、詳しく血液凝固異常を再度調べ、12因子は問題なく、プロテインSがごくごくわずかに異常で、妊娠後にヘパリンの併用を勧められました。
⑤PGT正常胚 移植日からバイアスピリン、移植2日前からタクロリムス 前回と同じホルモン補充周期125時間、4AA→陰性
⑥PGT正常胚 移植日からバイアスピリン、移植2日前からタクロリムス 前回と同じホルモン補充周期125時間、5AB→陰性
⑦PGT正常胚 生理5日目からバイアスピリン 前回と同じホルモン補充周期125時間、5BB→陰性
 正常胚3回でも結果がでず、3Dエコーがある病院に行き、中隔子宮と言われ子宮中隔切除術をうける
⑧PGT正常胚 生理5日目からバイアスピリン 前回と同じホルモン補充周期125時間、4BB→化学流産(初めて)
⑨PGT正常胚 生理5日目からバイアスピリン 前回と同じホルモン補充周期125時間、3BB→陰性

現在、九州の田舎に住んでいるのと、夫が仕事を絶対に休めないハードルがあり、転院が出来ない状況です。陰性の時は移植2日目くらいから下痢→水下痢をします。妊娠した時だけは下痢をしませんでした。また、妊娠した時はその3週間前にコロナのワクチンをうっていました。着床の窓の検査もERA検査ですが行っていて(ERPeakはないので出来なかった)同じ時間で色々な段階の胚盤胞を移植しているので、窓の問題ではないのでしょうか。いつも受精卵を排除しようと移植2日目くらいから下痢をするのかと考えたり、コロナワクチンのあとに妊娠したことを考えると免疫の問題なのでしょうか。妊娠後も免疫がおかしかったら、また死産になるのではないかと不安です。しておいた方がよい検査はありますか。

 

A 妊娠が上手くいった時と同じ方法を踏襲するのが良いので、可能な限り④と同じようにします。すなわち、移植日からバイアスピリン、移植前2日からタクロリムス2mg ホルモン補充周期(エストラーナとルテウム)125時間、3週間前にコロナワクチンです。

 

下痢は拒絶反応の現れとの見方もできます。コロナワクチンが免疫系の賦活化に役立ったという考えもあります。しかし、何がどうなっているかを知ることはできません。できることは、極力同じ方法にすることです。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。