Q&A3837 卵回収率低下 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロで自費採卵をしています。抗セントロメア抗体陽性です。前回の採卵で9個取れましたが、成熟卵が2つ(1日遅れの成熟1つ)しかなかったため、今回はトリガーの時間を遅らせて、ルクリンの使用をしました。

今回はトリガーを決定した日のE2が4000近くで、卵胞もそれなりに見えており14個予想でしたが、採卵では7個しか取れませんでした。7個のうち6個は成熟卵でした。成熟卵対策は功を奏したと考えもいいのかと思いますが、卵子回収率が低すぎました。他院含めて10回目の採卵でしたが、こんなことはありませんでした。採卵中も卵胞に針を刺したが取れてない様子が見えました。トリガー決定時の主席卵胞は25mmを超えていましたがそのほかの卵胞のサイズは多少のばらつきがありました。

卵子回収率が悪くなるのは何か原因がありますか。次の対策として何を行ったらいいでしょうか。イノシトールとDHEAは飲んでいます。また、前回は正常受精が2つでしたが、今回は正常受精は1つでした(多前核3つ、1PN2つ)。プレドニンの効果を感じられなかったので、次回プレドニンをD1もしくはそれより前から服用することは効果的でしょうか。

 

A 卵回収率が低い場合には、トリガーの効きが弱いことがありますので、トリガーの増強がその対策になります(ブセレ、HCG、オビドレルなどの複数使用や増量、翌朝のブースタートリガー併用など)。また、採卵周期前はプレドニン5〜10mg/日服用し、採卵周期に入ってからは15mg/日服用する作戦が有効だった方がおられますので、その方法はありです。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。