Q&A3811 29歳、移植3回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 29歳

 

2年前から妊活に取り組みタイミング法4回、人工授精4回、体外受精3回行いましたが、いずれも陰性で妊娠に至りません。これまでしてきた諸々の検査に関しては、全て異常はありませんでした(子宮卵管造影、子宮内フローラ、子宮鏡検査、Th1/Th2を実施しました)。精液検査も何度かしてきましたが、異常が指摘されたことはありませんでした。

移植前のホルモン値や、内膜の厚さもこれまで何ら異常を指摘されたことはなく、なぜここまで着床しないのかと頭を抱えられています。私が個人的に気になっているのは、採卵して卵がとれて受精まではいくのに胚盤胞到達率が悪い部分です(採卵は2回しており、15個以上とれ10個は受精します。ですが凍結までいけるのは2〜3個でした)。

移植①では、ホルモン補充周期で5日目4BAの胚盤胞を移植し陰性
移植②では、ホルモン補充周期で5日目4BBを2個移植しhCG 12.5で化学流産
移植③では、ホルモン補充周期で二段階移植(9G5と6日目4BB)し陰性

自分自身が2年間不妊治療をして心身共に疲れて、少し休憩したいという本音があります。ですが、年明けから海外に3〜4年駐在する予定があるため「今でさえ妊娠しないなら3〜4年後は希望がないのかな」という葛藤があります。主治医からは「子宮側にまだ見えてないなにかしらの異常がありそう」と言われましたが、別の医師からは「あなたみたいな若いタイプで原因不明の子は良い卵を取って数を打つのが一番。若さが武器だよ」と言われて、尚更悩みます。

私の思いとしては、貯卵がないため残りの時間に採卵だけして海外に行き、そこで1年タイミング法を頑張ったり少し休憩し、授かることができなければ一時帰国し検査をし、移植をしたいなと考えています。卵子凍結はやはり今の内にしておいた方が良いでしょうか。先生から見て、考えられる原因やおすすめの検査や今後の治療法があればぜひ教えて頂きたいです。セカオピを決意し、秋からリプロ東京さんに通う予定です。先生にいつかお会いできる日がくるのを楽しみにしています。

 

A 20代かつ上記の胚移植3回で出産に至っていないのは極めて不自然です。必ず何か原因があるはずです。リプロダクションクリニックで実施しているすべてのオプション検査を行って、すべての対策をした上で移植することをお勧めいたします。

具盾的には、慢性子宮内膜炎検査(CD138細胞検査)、子宮収縮検査、着床の窓(ERPeak)検査、銅亜鉛検査、25OHビタミンD検査、HOMA-R検査、不育検査になります。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。