Q&A3753 採卵時の卵胞の大きさは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第2子希望、リプロ大阪通院中


これまでに前院で7回、リプロで2回の採卵を行いました。AMH1以下なので数はそれほど期待できません。
リプロでの1回目の採卵で10mm以上の卵胞数(右2個、左5個)に対して回収個数(4個)が低めでした。その際に医師に口頭で4つ採卵したが右から3つ取れた旨を伝えられました。そのため、2回目の採卵で左右それぞれから何個取れるかを確認していただきました。その結果、10mm以上の卵胞数(右1個、左2個)に対して右から1個のみしか採卵できませんでした。前院では左右どちらから取れたかを確認していないので不明です。これまでの採卵日決定時の卵胞の大きさ、採卵数、成熟卵数等は以下の通りです。

前院(刺激:フェマーラ+HMG注射、トリガー:オビドレル)
採卵決定時の卵胞の大きさ→トリガーの時期→成熟卵数/採卵数→凍結個数→移植結果
①右(18mm)、左(13mm/9mm)→採卵決定の次の日にトリガー→1/1→1個(13G3)→出産
②右(16mm/15mm)、左(16mm/15mm)→採卵決定の次の日にトリガー→2/4→1個(MO)→陰性
③右(14mm)、左(16mm/14mm)→採卵決定の次の日にトリガー→3/3→2個(8G2、BL4AA)→8G2は陰性、BL4AAは心拍確認できず流産
④右(17mm/10mm)、左(18mm/16mm/12mm)→採卵決定日にトリガー→4/4→2個(BL4AB)→陰性
⑤右(16mm/14mm)、左(12mm/10mm)→採卵決定の次の日にトリガー→2/2→2個(8G2、9G2B)→凍結中
⑥右(16mm)、左(17mm/14mm/13mm/13mm)→採卵決定日にトリガー→3/4→1個(9G2)→凍結中
⑦右(17.5mm)、左(4mm)→採卵決定日にトリガー→1/1→1個(8G2)→陰性
①〜④は37〜38歳、⑤〜⑦は40〜41歳に採卵

リプロ大阪(刺激:クロミッド+HMG注射、トリガー:オビドレル+ブセレリン)
①右(13.6mm/11.1mm、2/3)、左(26.8mm/17.3mm、5/6)→採卵決定の次の日にトリガー→2/4(口頭で右から3つ取れたと説明)→2個(8G1、7G3)→凍結中
②右(15.2mm、1/1)、左(19.8mm/22.3mm、2/2)→採卵決定の2日後にトリガー→1/1(右からのみ取れた)→1個(14G3)→凍結中
①②は41歳に採卵

以下について松林先生のご意見をお聞かせいただけると幸いです。
①他院では卵胞が16-18mmくらいで採卵日決定、トリガーを使用していましたが、リプロでは卵胞をもう少し大きく育てるということで20mm以上で採卵日決定、トリガーを使用しました。採卵時の卵胞の大きさの適正値は個人差があるものと理解しております。リプロで左からの採卵が少なかったのは卵胞を育てすぎたからと考えられるのでしょうか。違う場合は他に理由は考えられますでしょうか。
②卵胞を育てすぎると異常卵が取れるイメージでしたが、採卵できなくなることもあるのでしょうか。
③これまでの結果から卵胞が16-18mmくらいで採卵日決定でいいように思いましたが、卵胞が何mmくらいのときに採卵日決定したらいいと考えられますか。
④左では採卵できないことが多いようなので、次回の採卵からは右の卵胞の大きさを起点に採卵日の決定等を行ったほうがいいのでしょうか。それとも左右関係なく決めればいいのでしょうか。
⑤前院では刺激はフェマーラ+HMG、トリガーはオビドレルでした。リプロではクロミッド+HMG、トリガーはオビドレル+ブセレリンでした。刺激やトリガーの変更による影響があったと考えられますでしょうか。

 

A 

①②③卵胞が大きい方が良い方、小さい方が良い方、人それぞれです。文面から判断する限りでは、卵胞13-18mmくらいで採卵決定+トリガーするのが合っていると思います。
④前医では左からも採卵できていたとすれば、左右どちらかの卵胞の最大径が17〜18mmでトリガーするのが良いと思います。
⑤刺激やトリガーの変更による影響ではないと思いますが、一度前院のやり方に戻してみるのもありだと思います。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。