Q&A3695 ホルモン不足で流産? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q PGT-A正常胚で胎嚢確認後、流産しました。ルトラール、ルティナス、エストラーナテープでホルモン補充していたのですが、BT9で陽性判定後(膣錠不足が原因だと思うのですが)、エストラーナテープ、デュファストン1回1錠(1日3回)に切り替わりました。主治医曰く、自分から黄体ホルモンも出るから、ルティナスがない事をよく心配されるが、デュファストンだけで問題ないのでご心配なくとの事でした。しかしその後流産しました。

①黄体ホルモン不足が流産の原因もありますか。
②陽性判定後、エストラーナテープ、デュファストン3錠だけでは足りていなかったのでしょうか。

デュファストンのみで大丈夫と言っていたのに、膣錠不足が解消されたのか、現在クリニックに通っている友人で陽性判定出た人はルティナスとデュファストンが出ているそうです。妊娠判定時、P4の測定などは無く、HCG測定のみでした。

 

A 

①BT9で陽性判定後すぐに出血が始まり化学流産になった場合には、黄体ホルモン不足が原因である可能性も考えられますが、胎嚢が確認できていますので黄体ホルモン不足が原因とは言えないと思います。なお、正常胚の妊娠率は50〜65%、流産率は5〜10%、出産率は50%程度です。この確率低下は、胎盤になる細胞(=着床する細胞)を採取するためと考えられています。
②以上の理由で、ホルモン剤が足りていなかったとは言えないと思います。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。