Q&A3673 第二子治療で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q ST法3AB移植で1人出産しています。4回目の移植で初めて陽性が出て出産まで出来たのですが、3回目までは全てSEET法でいずれもhCG 0でした。また子宮内膜症があり、4回目の移植前にリュープリンの偽閉経療法を行っています。


第2子治療
移植1)偽閉経療法後、ST法4AA移植 陽性判定 7w2dで心拍確認するも稽留流産
移植2)偽閉経療法後、保険の都合上SEETやST法なしでBL1×2個移植 BT11 hCG 3.8 陰性判定

①今回hCGが少しでも出ていますが、陰性ということはSEETやSTはやはり必要という判断になるのでしょうか。またSEET、STの有用性は移植する胚ごとに変わるのでしょうか。母体によるのでしょうか。
②偽閉経療法後にのみhCGが出ており、リュープリンは必須と感じています。医師からは今回陰性であることから次回は不要ではと言われています。松林先生であればどのようにお考えでしょうか。
③今回の治療の流れとは無関係ですが、ショート法は8時間ごと、ロング法は6時間ごとに点鼻しますが、間隔が違うのはどのような理由があるのでしょうか。多少前後してもいいと言いますが、前後何時間程度であれば許容と考えておられますか。例えばショート法で10時間空いた時があったとして、排卵抑制さえされていれば卵子の質に影響はないでしょうか。

 

A ST法は普通の培養液を注入したもので、SEET法は胚盤胞に培養した際の培養液を注入したものです。文面からすると、必勝法は偽閉経療法後(リュープリン)+ST法で胚盤胞移植です。

 

①SEETでは妊娠反応が出ていませんので、STが必要だと考えます。必勝法は患者さん(女性)によって異なります。
②今回陰性だったのはSTを行わなかったためと推察されますので、リュープリンは必須だと思います。
③ショート法とロング法で点鼻薬の間隔を変えている施設はほとんどないと思います。リプロダクションクリニックでは、基本は12時間毎とし、LH抑制が不十分の場合に8時間毎にしています。したがって、間隔が違う理由はわかりません。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。