最近読んでよかった本 168 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「合理的にあり得ない」柚月裕子

「殺しと傷害以外 引き受けます」のキャッチコピーで探偵事務所を経営するのは、とある不祥事で弁護士資格を剥奪された「上水流涼子(かみづるりょうこ)」。涼子は、IQ140で東大卒の「貴山伸彦(たかやま のぶひこ)」をアシスタントに、難題を次々と解決する。

・確率的にあり得ない:未来が読める謎の人物に頼り切る社長
・合理的にあり得ない:急にお金を注ぎ込み出す妻
・戦術的にあり得ない:賭け将棋の相手の勝率が急に上がったヤクザ
・心情的にあり得ない:上水流涼子とその事務所で働く貴山の関係
・心理的にあり得ない:多額の借金を背負い自殺した父は野球賭博で騙されたのではないかと訴える娘
どの話も読後感良好です。ドラマ化されました。

 

 

「それでもやっぱりがんばらない」鎌田實

「病だけではなく、心も見つめる優しい医療」そんな医療を心がける諏訪中央病院の鎌田實先生。「がんばらないけど、あきらめない」いい話がたくさん。自分が最期を迎える時、最期まで自分らしく生きるためのバイブルになるでしょう。諏訪中央病院は、私が東海大学病院に在籍していた頃に医師派遣をしていた病院で、何回か病院訪問をさせていただき、直接鎌田實先生ともお話やお食事をしました。文章にみられる雰囲気そのままのとても温かい先生です。

 

 

「倒産続きの彼女」新川帆立

法律事務所に勤める弁護士の「美馬玉子(みまたまこ)」は、事務所の一年先輩である「剣持麗子」に苦手意識をもちながらコンビを組む。二人は「会社を倒産に導く女」と内部通報されたゴーラム商会経理部「近藤まりあ」の身辺調査を行なうことになった。ブランド品に身を包み、身の丈に合わない生活をSNSに投稿している近藤は、会社の金を横領しているのではないかと思われたが、、、調査中にゴーラム商会のリストラ勧告で使用されてきた小部屋、通称「首切り部屋」で、本当に首を切られた遺体を発見することになり、予想外の事件に巻き込まれる。婚活に励むぶりっ子弁護士玉子と、高飛車な弁護士麗子の凸凹コンビにご期待を。

 

 

「不審者」伊岡瞬

会社員の夫「秀嗣」、五歳の息子「洸太」、義母の「治子」と都内に暮らす「折尾里佳子」は、主婦業のかたわら、フリーの校閲者として仕事をこなす幸せな日々を送っていた。ある日、秀嗣がサプライズで一人の客を家に招く。その人物は、21年間行方知れずだった、秀嗣の兄「優平」。現在は起業家で独身だと語る優平は、折尾家に居候することになる。それ以降、里佳子の周囲では不可解な出来事が多発する。里佳子は優平に対して違和感と不信感を次第に募らせる。ずっと里佳子目線で物語が進むのだが、最後に優平と里佳子の立場が逆転する。優平目線で2回目を読むと、隠されていた多数の伏線に気づく。さすが、伊岡さん!

 

 

「密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック」鴨崎暖炉

密室狂乱時代第2弾。日本有数の富豪にしてミステリーマニア「大富ケ原蒼大依」が開催する、孤島での密室トリックゲームに招待された高校生「葛白香澄」。密室黄金時代の端緒を開いた事件の被告と元裁判官も含め、変人揃いの参加者たちともに本物の密室殺人事件が幕を開ける。密室のスペシャリストの前に立ちはだかる7つの密室。果たして彼らは謎を解き明かし、生きて島を出ることができるのか。大掛かりなものから扉トリックまで、様々なトリックが満載です。