Q&A3627 慢性子宮内膜炎について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2022.6.13「嬉しい報告とQ&A3326 第二子治療で質問」 、2022.7.10「Q&A3353 Q&A3326の続きの質問です」、2023.3.25「Q&A3611 3326&3353に続いていろいろ質問」でご回答いただいた者です。


慢性子宮内膜炎については、検査をしたクリニックの医師(以前リプロで非常勤勤務されていたそうです)の、「慢性子宮内膜炎が陽性だからと言って妊娠しないわけではない。陽性群と陰性群の妊娠率の差は10%程度しかない。あまりそこに拘らない方が良いのではないか」との説明を元に検査、治療を終わらせる決断をしたのですが…。私の解釈、理解が正しくなかっただけなのかもしれませんが、医師によって言っていることがこれ程までに違うと、何を信じればいいのかわからなくなります。大都市と地方の医療レベルの差もあるのでしょうか。地方在住だと、正しい情報を得ること、またそれに基づいた治療を受けることが大都市と比べて難しいように思えます。そしてそれはとても悔しいことだと感じます。

第二子治療は保険適用の3回までと期限を決めて始めたので(今は自費で継続するか迷っていますが)、悔いの無いよう慢性子宮内膜炎の検査と治療を受けにリプロに行こうと思います。

 

A 医学の世界は日進月歩、昨日の常識は明日の非常識、常にアップデートが必要です。また、慢性子宮内膜炎の診断方法や基準も施設によりまちまちです。CD138細胞の染色状態、顕微鏡の倍率、何視野見るか、誰が見るかによっても変化しうると思います。通常は検査センターに外注して診断までしてもらっていると思いますが、検査センターの医師は複数名おられるのが普通で、診断される医師によって、顕微鏡の倍率や何視野見るかが異なってきます。リプロダクションクリニックでは、東京も大阪も診断医を1名に固定していますので、同じ目線で診断するため、誤差が少なくなります。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。