Q&A3454 第二子治療で苦戦しています | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫33歳、妻28歳


2018年11月 閉塞性無精子症と診断 TESEにて精子回収し凍結
2019年1月 採卵29個、顕微授精(15個顕微授精、6個卵子凍結)
2019年3月 4AA移植+SEET法→陽性→出産
 

第二子治療開始
2020年8月 4AA移植+G-CSF→陰性
2020年9月 4BA移植+スクラッチ→陰性
2020年10月 慢性子宮内膜炎(BCE)検査→陰性、子宮収縮検査→収縮あり(ダクチル処方)
2020年11月 9G2+4BC(2段階移植)→陰性
2021年1月 ERPeak→±0 着床の窓ズレなし
---治療お休み
2022年9月 凍結卵子と凍結精子で顕微授精
      2G4+4G5移植→結果待ち

①第二子以降、グレードの良い胚盤胞でも着床しない理由はどのような事が原因だと考えられますか(グレードは見た目上の判断という事は理解しています)
②SEET法でしか妊娠が成立しないという事例はあるのでしょうか。私は第一子SEET法で妊娠出産し、その後SEET法と似た2段階移植も挑戦しましたが、陰性でした。
③第一子特に問題なく出産しましたが、不育症の検査は必要でしょうか。また、その他検査等先生でしたら何をおすすめされますか。

 

A 

①②もしSEET法が必勝法だとすれば、2段階移植でも妊娠するはずです(そのような方が極めて多いです)。しかし、唯一の2段階移植で移植した胚盤胞は4BCと、(移植した中では)最もグレードが低いものでした。私には、ここに最も引っかかりを感じます。凍結胚がなくなったのでしたら、新たに採卵する際には、初期胚も確保しつつ、SEET液も確保して胚盤胞を目指すことをお勧めいたします。なお、この際に凍結する初期胚は、グレードの低いもので構いません。
③もし不育症検査をしていないのでしたら、全ての項目を潰しておくという意味で、不育セット+HOMA-R+銅亜鉛+25OHビタミンD採血をお勧めいたします。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。