Q 36歳、AMH 1.94、リプロで第2子治療中
第1子はタイミング法で授かり、32歳で出産しました(経膣分娩、男児)。
35歳時採卵2回
36歳時移植1回:ホルモン補充周期 SEET+4AA→陰性
現在凍結中の胚は、4BA、3BC×2、3CC(胚盤胞は全てday5)、初期胚8G3です。
初移植前に、DHEAS、テストステロン、ビタミンD、甲状腺、銅亜鉛、BCE、子宮収縮、子宮鏡、ERPeak検査を実施すみです。甲状腺はTSH 2.0前後で安定していたのですが、移植直前に測ったTSHが3.17になっておりチラーヂン25μgから50μgに変更、ERPeak:受容期前、その他の検査は問題なし。
採卵総数は23個で受精率や3日目までの分割は悪くないものの、胚盤胞到達率は30%ほどで良好胚が採卵1回につき1個ずつしかできませんでした。精子所見に問題はないものの、体外受精での胚盤胞到達率が0%(受精率100%)だった為、2回目の採卵時は全て顕微授精です。ステップアップする以前のタイミングや人工授精でも一度もかすったことがありません。ステップアップをする際に、目安として採卵3回までもしくは移植5〜6回までは頑張ってみて、授からなかったら諦めよう決めて挑んだので、あまり猶予がない状態です。
①次回移植はおそらく4BAの単体移植になると思うのですが、それが残り1つの良好胚ということもあり、1回目の陰性を受け不安が日に日に大きくなっています。2回目の移植で2個移植は早過ぎますか。
②次回移植(4BAを単体で戻したと仮定)でダメだった場合のネクストステップとして、先生ならどの胚をどのように移植すれば良いと思われますか。
③次回移植がダメだった場合、採卵も視野に入れています。その場合薬の影響等を考慮して、次回移植はホルモン補充周期よりも自然周期の方がいいのでしょうか。
④採卵抜きにしても、自然妊娠をしたことがある人は自然周期の方が合う人も少なくないと聞きましたが、判定日の医師には次回もホルモン補充周期で同じように移植してみることを薦められました。貴院では、患者からの希望がない場合に、ホルモン補充周期での移植を何度くらい経験したら、自然周期を試してみようとなりますか。
A 第2子不妊は、第1子不妊よりも妊娠成立が難しくなる場合があります(年齢が増加しているため)。文面からは、現在実施していない検査として、不育検査とHOMA-Rがあります。不育検査は不妊症とは関係ないと思われている方がおられますが、着床後早期の生殖ロスに関与している可能性があります。したがって、まず不育検査とHOMA-Rの採血を行なってみることをお勧めします。
①不育検査とHOMA-Rの採血で異常が見つかれば、その対策を行いながら、G-CSF+4BAを移植します(初回はSEET法だったので違う方法を行う)。不育検査とHOMA-Rの採血で異常が見つからなければ、2個移植のチャレンジはありです(G-CSF+4BA+3CC)。
②ERPeakが受容期前ということは、胚盤胞を6日目に移植していると思います。移植時の胚のステージがどうだったかによって、移植の日にちを7日目や6.5日目にする方法(胚のステージと着床の窓を合わせる方法)を行うのが良いでしょう。
③確かに、ホルモン補充周期移植直後の採卵では卵巣の抑制がかかることがあるため、卵胞数が減少することがあります。そのような観点から自然周期移植を行うのはありです。
④ホルモン補充周期でしか妊娠しない方、自然排卵周期でしか妊娠しない方、どちらでも妊娠される方がおられます。第1子が自然妊娠の方では、自然排卵周期移植の方が良いことがあります。私なら次回の胚移植は自然排卵周期を提案しますが、通院日数が増えますし、移植日を調整することができないといったデメリットが生じます。この辺りは、ケースバイケースになりますので、当院の医師マニュアルには一律の方針を記載していません。
不育検査については、下記の記事を参照してください。
2022.2.17「☆不妊症と不育症は親戚関係にあり」
2021.8.21「Q&A3028 4AAで陰性でした」
2017.4.5「☆☆☆当院で実施のオプション検査について」
2013.10.27「☆☆不妊症と不育症は親戚関係の疾患です」
なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。