Q&A3389 残りが6日目4BCと3BBしかありません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫29歳、妻28歳
夫:運動率低下(精索静脈瘤手術済み)
妻:術前AMH 12、自力で排卵・生理はきています

両側卵巣嚢腫の術前に自費採卵を行い、胚盤胞を作っておきましたが、これが3BC、4BC、3BBとすべて低グレードでした。採卵当時は保険適用の詳細が出ておらず、貯胚があっても採卵できるものと思っていました。
術後2カ月で5日目3BCを2個移植→7w稽留流産
残りが6日目4BCと3BBしかありません。

①これを破棄して新たに採卵し良好胚だけを凍結する、あるいは残りの低グレード胚を移植するのどちらがいいでしょうか。金銭的に助成金なしでの自費採卵は厳しいかなと。また、嚢腫がなくなったことで、卵子の質が上がっている可能性はありますか。
②BCで妊娠はしているので不育症とは考えにくいでしょうか。
③心拍確認後の流産1回でも夫婦染色体検査は受けるべきでしょうか。流産でのタイムロスが惜しく、できることはやっておきたいです。

 

A 

①低グレード胚とおっしゃいますが、28歳でしたら例えCC胚だとしても十分出産できますので、破棄するのは勿体無いです。また、卵巣嚢腫摘出後に卵子の質が上がるというデータはありません。
②グレードがどうあれ、1回の流産では不育症とは言いません(あくまでも定義上のことであり、2回目の流産をすれば不育症と呼びます)。
③流産でのタイムロスが惜しく、できることはやっておきたいというお考えでしたら、夫婦染色体検査や不育症検査を実施されても良いと思います。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。