最近読んでよかった本 149 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「幻夏」太田愛

「相棒」の脚本を手掛ける「太田愛」さんの小説「幻夏」は、日本推理作家協会賞の候補作品、テーマは「冤罪」。冤罪事件に巻き込まれた家族がどのような運命を辿るのか。警察官の「相馬」、興信所を営む「鑓水(やりみず)」、鑓水に雇われる「修司」の3人が、行動力と推理力で事件を解決するシリーズ2作目。23年前の夏、小学校6年生だった相馬の友人「尚(なお)」が忽然と姿を消す。近くの流木には刻まれた謎の印「//=l」があった。事件は未解決のまま、23年後、相馬が勤務する管轄で少女が失踪する事件が起きる。その現場にも「//=l」のマークが刻まれていた。一方鑓水は、尚の母親「香苗」から依頼を受け、23年前に姿を消した尚を探すよう頼まれる。23年前の事件と現在の事件が錯綜し、次第に事実が明らかになる。司法の信を問うミステリーです。切なく、哀しくて、やるせない物語。とてもお勧めです。

 

 

「幻覚殺人」志賀貢

医者で弁護士の「朝比奈博士(ひろし)」シリーズ9作目。博士が顧問弁護士を勤める南病院の御曹司「南広高」に、元婚約者殺害の容疑がかけられた。そして動機がないにもかかわらず、広高自身も無意識の自分が犯人ではないかと悩んでいた。引き続き第二第三の殺人事件が起きる。博士は調査を進めるうちに、背後に潜む陰謀に気付く。滋賀貢は、北海道出身の現役の内科医。多数の小説やエッセイを執筆していますが、私は初読みでした。

 

 

「珈琲店タレーランの事件簿8」岡崎琢磨

珈琲店「タレーラン」のバリスタ兼店長である「切間美星」と、恋人として正式にお付き合いを始めた「アオヤマ」。二人は京都で開催されるコーヒーの飲み比べイベントに出店することとなった。かつて関西バリスタ大会で競った「イシ・コーヒー」を含む6件が参加し、それぞれの技を出し合い優勝を目指すのだが、、、初日から何者かによる妨害事件が発生する。翌日にも妨害事件が発生し、美星の謎解きが始まる。

 

 

「月と蟹」道尾秀介

直木賞受賞作の本書。鎌倉の田舎町に住む3人の小学生「慎一」「春也」「鳴海」。3人は隠れ家で「ヤドカミ様」を祀る儀式を行う。彼らの願い事は叶えられていくが、次第に悪い方向へとエスカレートしていく。ひとり親世帯、虐待、家庭内での孤独など様々な闇を抱えるこども達の葛藤、痛み、希望が描かれています。

 

 

「泣くな研修医」中山祐次郎
「雨野隆治」は、地元の鹿児島大学医学部を卒業して上京したばかりの25歳、都内総合病院の外科で研修中の新米医師。ほとんど毎日医局のソファーに寝泊まりしながら、医師としての経験を積む。交通事故で瀕死の重傷を負った5歳の少年、生活保護で認知症の94歳の男性、腹痛の14歳の女性、25歳で末期がんの青年などと向き合いながら、医師としての自分を見つめる。中山祐次郎は現役の外科医であり、主人公の姿と被ります。2021年テレビドラマになりました。