Q&A3296 化学流産後で質問 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 先月移植をして、BT11の血液検査でhCG 78→化学流産となりました。
 

次回の移植に向けて教えて頂きたいです。
①今までずっとホルモン補充周期で移植しているのですが、今回初めて保険適用や病院の方針で薬が変わりました。今まで→ウトロゲスタン朝夜1錠ずつ、ルトラール朝夕2錠ずつ、エストラーナテープ3枚を2日に一度貼り替え(この組み合わせで一度出産しています)。
今回→ルティナス朝夜1錠ずつ、デュファストン朝昼夜1錠ずつ、エストラーナテープは今まで通り変更なし。ネットを見ていると、素人ながら、今までよりホルモン補充の量が少ない気がするのですが、先生はどう思われますか。薬が少ないため化学流産に繋がることはありますか。次回は今までのウトロゲスタンとルトラールに変更してもらった方が良いでしょうか。
②もし、ルトラールとウトロゲスタンに変更した場合、薬剤の変更で着床の窓は変わりますか。
③半年前、稽留流産後に子宮内膜炎の治療をしているのですが、化学流産後でも内膜炎が再発することがありますか。BCE検査をしない場合、移植前にビブラマイシンだけでも飲んでおいた方が良いでしょうか。

 

A 

①保険適用範囲では薬剤量がかなり少なくなります。薬が少ないために陰性判定や化学流産に繋がる可能性は十分あります。
②薬剤の変更で着床の窓は変わりません。
③出産や流産後に慢性子宮内膜炎が生じることがあります。また、年月が経過することで慢性子宮内膜炎が生じることもあります。化学流産後はおそらく大丈夫とは思いますが、ご心配でしたら移植前にビブラマイシンを飲んでおくのは良い作戦だと思います。

 

なお、このQ&Aは、約2週間前の質問にお答えしております。