本論文は、腹腔鏡による膀胱内膜症切除のコツを示したビデオ論文です。
Fertil Steril 2022; 117: 225(カナダ)doi: 10.1016/j.fertnstert.2021.08.039
Fertil Steril 2022; 117: 228(米国)コメント doi: 10.1016/j.fertnstert.2021.11.004
要約:腹腔鏡による膀胱内膜症切除のポイントを3名の患者さんの術中ビデオを元に解説します。尿路系の子宮内膜症は全体の1%に認められ、膀胱が70〜85%、尿管が9〜23%、腎臓はわずか10症例のみが報告されています。まず、超音波検査により、膀胱子宮内膜症の位置関係と大きさを確認します。
ステップ1:膀胱鏡により膀胱内の観察および尿管ステントの挿入
ステップ2:腹腔鏡により腹腔内の観察および子宮背側の内膜症の処置
ステップ3:膀胱周囲の結合組織切除により膀胱の可動性を確保(膀胱後壁、側壁、前壁)
ステップ4:膀胱鏡ガイド下により膀胱の部分切除(尿管口と尿道口の三角形を指標にする)
ステップ5:膀胱縫合(連続縫合で1層あるいは2層)
ステップ6:膀胱リークテスト(メチレンブルー注入)
尿道カテーテルを1〜3週間挿入し、抜去後、膀胱造影検査によりリークなきを確認します。
解説:本論文は、腹腔鏡による膀胱内膜症切除のコツを示したビデオ論文です。
コメントでは、安全確実な膀胱内膜症切除には、解剖学的な基礎知識が欠かせないとし、本ビデオ論文による6つのステップがオペ標準化に重要であるとしています。