Q 2021.6.22「Q&A2968 今後の移植プランについて相談」と2021.8.11「Q&A3018 今後の採卵プランで相談」でご返答頂いたものです。
39歳、AMH 1.62、顕微授精貯胚中(採卵12回 移植4回)
貯胚を開始してから4回目の採卵(9個)を終えましたが、採卵後3日目現在で6G3、4G3との結果で、初期胚凍結をお願いしました。5回目の採卵を目指すのか、前回助言を頂いた様にERpeak検査に移るのか悩んでいる状況です。
過去4回移植をしていますが、HCGは34、6.8、0、0。という結果です(自然排卵周期・ホルモン補充周期両方実施)。
EMMA検査改善後、銅亜鉛・ビタミンD改善後に移植したのは1回ですが、結果HCGは0でした。
・不育症の検査は、引っかかりませんでした。(ビタミンD、亜鉛服用中)
・PGT-Aは行った事はありません。
・夫婦染色体検査は行っていませんが、少し悩んでいます。
・卵管造影検査は行ったことはありません。
・慢性子宮内膜炎の検査異常なし。
・ERA検査にて、ずれなし。
・ALICE検査にて、病原体検出なし。
・EMMA検査にて、ラクトバチルス 0%、Atopobium 76.17%、その他 3.64%、コメントで子宮内膜検体中から子宮内感染症に関与する病原性細菌が多く検出されています→オーグメンチン(250)x3回/日 7日間投与。移植周期ラクトフローラフォルテ使用。現在ラクトフェリン(ルナリズム)服用中。
骨盤内感染:今から4年程前、子宮頸がんの検診(午前中)に行き、骨盤内感染を起こし1週間入院したことがあります。検査の際、お腹をえぐられる様な痛みがありました。その後2回子宮頸がん検査をしましたが、痛みがなく検査時間も短く、4年前の検査は何をしたのか?と思わずにはいられません。検査1時間程して検査時と同じ様ななさらに強い腹痛が発生しましたが、その後治まり、翌朝ひどい嘔気・嘔吐と異常な腹痛と高熱で病院へ行きました。検査の結果、救急搬送となり、転送先で子宮が原因では?と話したのにも関わらず、虫垂炎と誤診され緊急手術直前で婦人科受診。手術は中止となり、抗生剤投与開始となりました。
①PGT-Aを行った事は無いため染色体異常率は分かりませんが、骨盤内感染を起こした事により、着床・妊娠にどのようなリスクがあるのでしょうか。また、その対策として何か行えることはあるのでしょうか。PFC-FD療法を行った方が良いなどありますでしょうか。
②過去に通院していた病院で、移植して着床しなかった為、卵管造影をした方が良いと言われました。その後転院して行っていませんが、骨盤内感染を起こした事も踏まえると、顕微授精でも行った方が良いのでしょうか。
また、私は幼い頃からはひどい便秘症で、基本、数日~1週間に一度のコロコロ便排泄という生活を送ってきました。しかし、この検査結果を踏まえ生活習慣を見直した結果、現在は排便コントロールは改善されてきています(下剤服用も必要ですが)。
③骨盤内感染とは関係ないのでしょうか。
④幼いころからひどい便秘症であることとは関係ありますか。
⑤ラクトバチルス0%という結果はなかなか見ることが無いように思います。自宅でできるキットもある様ですし、再検査をして見たほうが良いのでしょうか。対策として何かできることはありますでしょうか。
A
①骨盤内感染は治癒してしまえば、あとは慢性子宮内膜炎が陰性であれば、着床・妊娠への悪影響はありません。PFC-FD療法は着床障害の治療であり、骨盤内感染云々とは別物です。
②骨盤内感染の既往のある方に卵管造影を行うと、再び骨盤内感染が生じるリスクがあります。超音波で卵管水腫の可能性を一度も指摘されていないようでしたら、卵管造影はやめておいた方が良いでしょう。
③便秘と骨盤内感染の関係はありません。
④便秘と不妊症の関係はありません。
⑤他院から子宮内フローラ検査結果をお持ちの方で、しばしばラクトバチルス0%の方がおられますので、珍しいことではないと思います。そもそも子宮内にはラクトバチルスはいないという報告もありますので、再検査も対策も不要です。ただし「生活習慣を見直した」の中にラクトフェリンが含まれているのでしたら、ラクトフェリンの継続は必要です(腸内細菌の改善になるため)。
なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。