Q&A3159 41歳、AMH 0.69、移植で22週流産、自然妊娠で心拍確認後流産 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 41歳、AMH 0.69


2019年 SEET+5日目4AAで妊娠→22週流産
2020年 5日目4AAで、BT9 hCG 0.5
     6日目4AAで、BT10 hCG 10.5
2021年 自然妊娠 心拍確認後流産
     5日目4AB、BT9 hCG 41.7

ホルモン補充周期で妊娠したことから、全てホルモン補充周期移植です。着床の窓の検査は未実施です。しかし、3回連続でうまくいかないので、自然周期の移植をしてみたい気持ちがあります。

①現在41歳ですが、今年自然妊娠をしているので、そういう人はホルモン補充周期で妊娠していた過去があっても、自然周期移植の方が合うのでしょうか。私の成功法はどれになるでしょうか(SEET液はもうありません)。慢性子宮内膜炎検査、亜鉛、ビタミンD検査はクリアしています。不育症検査(プロテインS活性)で引っかかっておりますので、アスピリンとヘパリンを使用しています。
②39歳時の凍結胚があと2個あります。他にできることは何がありますでしょうか。やはり着床の窓の検査ですか(通っているクリニックはERA検査になってしまいますが)。第一子の中期流産とhCG 41.7がでたので、担当医からは着床の窓にズレはないと言われたのですが、どう思われますか。
③着床の窓の検査は自然周期移植、ホルモン補充周期移植それぞれにやらなければいけないでしょうか。
④39歳でAMHが0.69でしたので、しばらく測定していませんが、移植の前に採卵しておいた方がいいのでしょうか(子供は1人授かれば嬉しいです)年齢的にも先に移植か採卵か迷っています。担当医は3回ダメなら転院も考えるべきだとおっしゃっていましたが、高齢のわりに採卵での成績が良好(受精も胚盤胞到達率も100%)だったので、このクリニックは私に合っているのかと思ったのですが、移植が陰性続きの場合も転院も考えた方が良いでしょうか(現クリニックは移植時のオプションはSEET法とAHAしかありません)。
⑤低AMHの人は卵巣に刺激をし過ぎるとダメージが大きすぎ、機能が回復しないのでなるべく薬を使わない自然での採卵の方が良いというのは本当でしょうか。

 

A 

①必勝法はホルモン補充周期でのSEET法による胚盤胞移植です。また、今年自然妊娠をしているので自然周期移植もありです。

着床の窓は、出産後や流産後あるいは年月が経つにつれ変化することがありますので、理想的には検査しておいた方が良いと思います。

③厳密に言えば、着床の窓の検査は自然周期移植、ホルモン補充周期移植それぞれに実施した方が良いですが、便宜上、ホルモン補充周期移植で行い、自然周期移植に流用するというプランが行われています。

④妊娠率は採卵時の年齢に左右されますので、(残りの凍結胚が2個でしたら)採卵を行っておいても良いでしょう。また、移植については、その方に合った方法が良いので、SEET法による移植をお勧めいたします。

⑤自然周期系のクリニックでは、このような説明を行って刺激周期を回避する傾向がありますが、低AMHの方でも調子の良い時と調子の悪い時があります。調子の良い時には刺激した方が得策であることがしばしばありますので、「なるべく薬を使わない自然での採卵の方が良いというのは」必ずしも正しくありません。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。