Q&A3134 44歳、AMH 2.5、採卵4回、移植5回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 44歳、AMH 2.5
 

PPOS法で毎回10個程度採卵、胚盤胞が1〜2個凍結できる状況です。採卵4回、移植5回(胚盤胞計7個)しましたが、結果はかすりもしません。医師からは、年齢的に染色体異常と判断されます。もちろんその可能性がほとんどだと思いますが、移植の際、ホルモン補充周期の薬が少ないのではないかと思ってしまい、先生のご意見をお聞かせいただければと思います。


・生理2日目よりエストラーナテープ3枚
・移植5日前よりルティナス(3回/日)
・葉酸、ビタミンDのサプリ

クリニック自体は好きなのですが、移植方法が基本的にこの方針しかないのが気になります。なお、自然周期は一度もしていません。

 

A 年齢的に染色体異常と判断されるのは推測でしかなく、受精卵(胚)因子なのか着床(子宮)因子なのかを明らかにするためには、一度PGT-Aを行ってみる必要があります。異常胚ばかりなのでしたら受精卵(胚)因子と断定できますが、例えば正常胚率が20%だとしたら、過去移植した胚盤胞7個の中に少なくとも1個は正常胚があったことになります。そのような場合には着床(子宮)因子を考慮することになります。

 

着床(子宮)因子のうち、ホルモン補充が少ないために上手くいかないケースもあり得るとは思いますが、通常は慢性子宮内膜炎や着床の窓がズレていることなどが多いように思います。ホルモン補充は単純に増量すれば良い訳ですが、それをやってもらえないのでしたら、転院するしかありません。また、理由はわかりませんが、ホルモン補充周期では妊娠せず、自然排卵周期でしか妊娠されない方もおられますので、一度自然排卵周期移植を行ってみるのもありです。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。