Q&A3099 子宮内膜日付診は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q ERAやERpeakと同じように移植の最適日を診断する検査として、内膜日付診というものを時折見かけます。検査費用も3万円前後と随分安いようです。一部のクリニックでのみ取り扱っているようですが、こちらの検査の信憑性はいかほどでしょうか。ご存知でしたら教えてください。日付診は病理を見ていて、ERAやERpeakはRNAを見ているという情報を見ました。結果が異なるケースもあるようです。

 

A 30年以上前行われていた子宮内膜日付診は、見る人や見る時によって大きく解釈が変わってしまうため、診断制度に根本的な問題があり、現在は行われていません(同じ標本を同じ医師が違う時に見ても診断が変わってしまいます)。スペインのグループが開発したERA検査は子宮内膜を採取し、238個の遺伝子発現のパターンから着床の窓を見極める方法です。リプロダクションクリニック では、48個の遺伝子発現パターンで解析するERPeak検査を実施しており、極めて高い有用性を示しています。また、米国生殖医学会(ASRM)のオフィシャルコメントでは子宮内膜日付診を推奨していません。子宮内膜日付診の信憑性は全くないのですが、過去に否定された検査を引っ張り出してリバイバルさせようとしているように思います。

 

下記の記事を参照してください。

2021.6.27「☆黄体機能不全:学会のオフィシャルコメント2021

2014.112.19「子宮内膜の着床能の研究 続報

2014.8.7「☆☆着床の窓はいつ開く?

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。