Q&A3093 第二子治療で陰性判定続きです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 37歳、第一子は初回採卵の初回移植


良好凍結胚が4個ありましたので、第二子もこれで大丈夫だろうと思っていましたが全て流産と陰性に終わりました。諦めるべきとも思うのですが第二子を抱きたいと思う気持ちは強く、今後治療を再開するとしたらどのように進めるのが良いでしょうか。


33歳の時にウルトラショート法で採卵、5個の胚盤胞を凍結。
移植① P+4.5 4AB →第一子出産
移植② P+5 4AB →BT10 hCG 70→小さな胎嚢確認後6wで流産
移植③ P+5 4BA →陰性
移植④ P+5 4AB →陰性
慢性子宮内膜炎、子宮鏡検査→異常なし
移植⑤ P+4.5 4BB →陰性

最後の移植で、出産出来た時と同じタイミングで移植したのですが着床せずでした。ビタミンDは第一子治療時と同量を摂取しています。リプロダクションクリニックで受けた不育症検査の結果を参考に移植後からバファリンを飲んでいます。夫は精子不動症で運動率0%のため、浸透液に付けて尻尾が動いたものを選んで受精させて頂きました。

①4個の胚盤胞が全て染色体異常だった可能性はありますか。
②全てホルモン補充周期ですが、自然周期で良い結果に繋がる可能性はありますか。
③一度移植前に液体貯留ありと言われ、子宮収縮剤使用で移植前日には消失していたのですが着床に影響はありますか。
④再び良好胚が2個以上取れたとして、松林先生でしたらどのような移植方法を提案されますか。

 

A 

①37歳の染色体異常率は42%ですので、4個の胚盤胞が全て染色体異常だった可能性はほとんどないと思います。
②このような場合には、過去の必勝法が変化した可能性がありますので、自然周期でやってみる価値はあると思います。
③移植前に液体貯留があっても、移植日に消失していれば着床への影響はありません。
第二子治療で陰性判定続きの場合には、着床の窓が変化した可能性と慢性子宮内膜炎が出現した可能性がありますので、これらの検査を実施してから移植することをお勧めいたします。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。