Q&A3077 45歳、ドナー卵子治療中 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 45歳、自己卵子で採卵、移植は試みましたが陰性。現在ドナー卵子でチャレンジしています。

着床症前診断をして正常胚が複数個出来ましたが、移植2回とも失敗しました。子宮宮検査やMRIは問題無し、不育症検査も正常値。元々生理不順で、なかなか排卵しません。年齢のせいもあり高温期になりにくいです。血圧も正常。基礎疾患はありません。

残りの胚は、正常胚5日目5BCとモザイク胚30%5日目4ABです。また、海外に5日目4AB 2個が残っています。全て正常胚です。この残りでどうしても成功したいです。現在通院中のクリニックは、2個移植は出来ません。また、ドナー卵子なので転院してもどこか受け入れてくださるかわからないので難しいと転院はあきらめています。黄体ホルモンが少ないのではないかと自分で思いますが、十分だとのことで増やしてもらえません。次回はバイアスピリンを飲んでみましょう、そしてルティナスにデュファンストンは足してもらえることになりました。

1回目移植 ホルモン補充周期6日目4AB(ルティナス膣剤1日3回補充、エストラーナテープ2日毎に4枚、ジュリナとダクチル1日3回)
移植日E2 333.5P4 9.66内膜10mm
BT7 判定日 陽性E2 667.7P4 14.82HCG 90.5
BT14 大出血 翌日化学流産確定E2 313.7P4 14.04
順調だったのに、いきなり駄目になりました。胚に元気が無かったのでは?とのこと。

2回目移植 ホルモン補充周期6日目胚盤胞4BB(ルティナス膣剤1日3回補充、エストラーナテープ2日毎に4枚、ジュリナとダクチル1日3回)
移植日E2 402.7P4 12.22内膜8.5mm
BT7 判定日 一応陽性E2 358.9P4 15.88HCG 9.1
BT 11 再判定日 継続決定HCG 128.1
BT 18 化学流産確定E2 403.0P4 22.15HCG 136.7
遅延着床だと言われましたが、その後駄目になりました。

3回目移植 急遽自然周期(生理中に卵が育ってしまった為に、自然周期でやれるか試みる。ルトラール朝夕一錠ずつ)膣剤も欲しいと言っても、もらえませんでした。自然周期では黄体ホルモン補充はしないとのことでした。
移植日…P4が低い為キャンセルE2 251.7P4 6.61内膜9.5mm

 

A 移植2回とも妊娠反応は出ていますので、ホルモン補充周期で同じように移植するのが良いでしょう。問題は化学流産です。銅亜鉛、25OHビタミンD、HOMA-R、不育症検査が全て網羅できているか再確認が必要です。全てに問題がない場合は、原因不明化学流産になります。この場合は(試験的な治療ですが)、ピシバニールや低用量ステロイド(プレドニン)、PRP療法が奏功することがあります。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。