Q&A2981 コロナワクチンで不妊!? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q1 新型コロナウイルスワクチンについて、不妊や流産などの原因になるという噂をちらほら聞きます(スパイクタンパク質は、「シンシチン・ホモログ・タンパク質」を含んでおり、ヒトなど哺乳動物の胎盤形成に必須であるため、無期限に不妊症を起こす危険性がある、云々)。根拠はないとも聞きますが、専門家によってさまざまな意見があってどれが正しいのか分からなくなります。こういった説についてどう思われますか。

 

Q2 新型コロナウイルスワクチンに関して、ワクチン接種後不妊になる可能性があるとの話を聞いたことがあります。副作用に関してはすぐにわかるものとわからないものがあると思うのですが、不妊は一定期間経過したとしてもわからない副作用です。なぜこのような話が挙がったのか、その可能性はあるのか、教えていただけるとありがたいです。自分でいろいろ調べてみたのですが、根拠もわからずで・・・自分自身はもう妊娠の可能性はほぼありませんが、他の方や娘達のことを考えると安易に打っていいものか不安になりました。

 

A 論文を調べてみましたが、根拠となる論文はありませんでした。

 

米国産科婦人科学会(ACOG)、米生殖医学会(ASRM)、母体胎児医学会議(SMFM)は、共同声明で「ワクチンが生殖能力の喪失につながり得るとの証拠はない」と発表しています。欧州生殖医学会(ESHRE)も同様です。

 

根拠のない話を鵜呑みにしないよう、ご注意ください。

 

なお、このQ&Aは、約1ヶ月前の質問にお答えしております。