Q&A2818 頸管短縮と黄体ホルモンの関係は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 頸管短縮と黄体ホルモンは関係がありますか?

ホルモン補充で胚移植し妊娠したのですが、妊娠初期に黄体ホルモンの数値がなかなか上がらず、平均の半分程だったため、12週まで週2回の注射と、ルティナス膣錠1日3錠、プロゲストン錠を内服していました。

 

17週頃からお腹が張るようになり、20週で頸管長24ミリまで短縮。切迫早産で32週の今も自宅安静中です。医師からは、痩せ型は切迫早産になりやすく、張りやすい体質が原因と言われています。

先日、頸管短縮例に天然型プロゲステロン腟錠200mgの連日投与が効果的との研究結果が出ていると知りました。初期の黄体ホルモン補充が足りなかった事が関係しているのでしょうか。第二子希望ですが、また切迫早産となると大変なので、次回は黄体補充をもう少し増やすか、自然周期で移植した方が良いでしょうか。

 

A 切迫流早産に黄体ホルモン剤の投与が有効であるとの論文は極めて多数あります。これは、あくまでも治療的な投与であり、頸管短縮の予防にはなりません。頸管短縮はその方の子宮の特性(特徴、体質)であり、予防できるものではありません。痩せ型の方は切迫早産になりやすのは事実であり、毎回切迫早産に悩まされることが多いですが、残念ながら予防策はありません。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。