嬉しい報告:奇跡の連続の我が子 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

先日子どもが1歳を無事に迎えられましたのでお礼とご報告のためにメッセージさせて頂きます。

2年半前にリプロでアスピリンとヘパリンを行なっていましたが、子宮内胎児死亡で残念な結果になってしまいました。その結果を受け次は免疫グロブリンを、と松林先生と相談させていただきました。次の妊娠は想定外の自然妊娠でしかも双子。アスピリン、ヘパリンを投与し松林先生とのお話し通り前回超えられなかった週数を挟む形で免疫グロブリンを投与予定でした。1度目を投与し2度目のスケジュール相談のために14週で伺った診察で、土信田先生が子宮口が既に2センチ開いていることを診断し、すぐに産院に連携してくださいました。医師であれば詳しく診たいというのが性分ではないかと思うのですが、もう余計な検査などはしません、すぐに産院で診てもらってくださいと、そっとしておいてくれました。

産院ではもう諦めた方がよいと言われましたが、絶対に諦めたくないとシロッカー手術を受け、その後も3ヶ月以上管理入院にはなりましたが奇跡的に37週1日までもち、予定帝王切開で元気な双子の男児を産むことができました。あの時土信田先生が診察していなかったら間違いなく自宅で子どもが出てしまっていたと思います。2度目の免疫グロブリンは打てませんでしたが1度だけでも効果があったと思っています。

1歳の誕生日を無事に迎えられ、私の姿をみると嬉しそうに近寄ってくる2人の息子を抱っこすると、今までの長い長い不妊治療やお空に還った子供のこと、もう諦めろと言われた日のことが思い出され、今の幸せが眩しすぎて涙が出ることがあります。

患者の声に真摯に向き合ってくださった松林先生、土信田先生はじめリプロの先生方のおかげで今があります。本当に本当にありがとうございました。お忙しい毎日とは思いますが先生方もお身体を大切にされてください。本当にありがとうございました。

 

コメント:受精、着床から始まり、妊娠中の胎児の成長、そして出産まで、ドラマティックな変化を遂げるのが女性の身体の神秘です。どんなに医学が進歩しても、この神秘を完全に解き明かすことはできないのでしょう。そう、どなたの妊娠もこのような奇跡の連続によって成り立っているのだと思います。我が子を胸に抱き、苦しかった過去を振り返ると、それぞれの段階での選択が間違っていなかったことを実感し、良い思い出に変わるのかもしれません。私や土信田先生に出会えたのも神様が導いてくれた運命ではないかと思います。私たちの治療で幸せをお届けでき、嬉しい限りです。