Q&A2711 第2子希望で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 先日の移植で陽性後胎嚢が確認できず化学流産となったため、今後についてご助言頂きたいです。

2016年(37歳)Aクリニック
ロング法で採卵→唯一の胚盤胞(3CB)を新鮮胚移植し出産(採卵2日後からバファリン。移植日からダクチル。黄体補充はプロゲデポーとデュファストン)

2018年(39歳)2人目希望、Bクリニック
ロング法で採卵→初期胚2個移植→血中hCG 20
アンタゴニスト法で採卵→初期胚2個移植→陰性

2020年(41歳)Aクリニック
1月 低刺激で採卵
Day 3~12 クロミッド
Day 8&10  HMG150
Day 12 hCG5000
Day 14 5個採卵中1つ壊れ、残り4個のうち2個正常受精し、1個胚盤胞凍結(3BA)

2月 カウフマン:プレマリン10日間+プラノバール10日間

3月 ショート法で採卵
Day 2~ブセレキュア
Day 3~6 HMG300
Day 7~10 HMG150
Day 11 hCG5000
Day 12 10個採卵中6個正常受精したが3日目までに全て分割停止。
E2も3537と十分出ていて期待していたのに残念な結果に。

4月 カウフマン

5月 低刺激で採卵
Day 3~7 レトロゾール
Day 8 E2=39 卵胞13, 13, 13, 8, 7, 6mm
Day 8 HMG150とセトロタイド
Day 10 E2=60 卵胞17, 14, 14, 8mm 内膜6mm
Day 10 HMG 300とセトロタイド
Day 11 E 2=90 卵胞18,13,13 内膜7.7mm
Day 13 4個採卵中3個正常受精し、1個胚盤胞凍結(3CC)

6月 お休み

7月 胚盤胞2個移植(3BAと3CC)
Day 2~プレマリン(1日6錠)、ユベラ、バファリン
Day 8~内膜厚くするためプレマリン1日9錠へ増量
Day 14~プレマリン6錠に戻し、デュファストン1日6錠追加
Day 19 移植+プロゲデポー125(上記プレマリン、デュファストン、ユベラ、バファリンも継続)
Day 24 プロゲデポー125
Day 28 4w0d 尿中hcg 69で陽性。ここからプレマリン、バファリン、ウトロゲスタン1日600(200×3回)
5w0d 胎嚢確認できずhCG 5に下がり、現在生理待ち

【質問】
①現在41歳9か月。9か月前のAMH1.3です。次の採卵に向けて、どう刺激すべきでしょうか。ショート法で10個採れたのに胚盤胞はできず、クロミッドやレトロゾールを使った低刺激では1個ずつ胚盤胞になった経緯を踏まえると、低刺激が良いのでしょうか。刺激の方法と、その中身についてアドバイスお願いします。
②今回ホルモン補充周期で陽性が出たということは次もホルモン補充周期が良いのでしょうか。第一子妊娠前、35歳の時に自然妊娠(心拍確認後流産)していることや、第一子を新鮮胚移植で出産できていることから自然周期が良いのかなと思いつつも、41歳だし、内膜も7〜8mmとギリギリだからホルモン補充かな…と迷っています。
③今回の流産の原因は染色体異常の可能性大でしょうか。判定日4w0dの尿中hCG 69は第一子の時と同じくらいでしたが、内膜が11mmと薄めでした。流産と関係がありますか。
④子宮収縮検査はしたことありませんが、第一子の時はダクチル服用、今回は服用なしでした。流産の原因だった可能性はありますでしょうか。

 

A 

①これまでの経過から、低刺激が良いと思いますが、アンタゴニスト法で刺激周期もトライしてみても良いと思います。
②基本は上手くいった時を踏襲することですので、第一子と同様に新鮮胚移植をお勧めいたします。
③流産の原因が染色体異常かどうかは流産胎児および絨毛の染色体検査をしなければわかりません。内膜は7mm以上あれば十分です。
④子宮収縮検査の如何にかかわらず、第一子の時と同様にダクチル服用をお勧めいたします。ダクチル服用をしなかったことが流産の原因か否かは不明です。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。