Q&A2656 第2子希望でヘパリン使用は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 3年前にリプロでオプション検査をして頂き、他院での胚移植をしつつ、ヘパリン、バイアスピリン、ダクチル、ビタミンDを使用し1回目の移植で妊娠、出産に至る事ができました。大変、感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。


現在、第2子を希望しており、一人目の移植をした病院に凍結胚を4つ凍結してあります。そして、リプロで不育症検査を再度して頂きました。現在、結果待ちですが、先生のご意見を今後の参考にさせて下さい。

第一子の結果
aPS/PT IgG抗体 35.6 U/mL
第12凝固因子活性 57%
プロテインS活性 49%
子宮収縮検査 所見 全体 下→上→下、大きく2回/3分 

出産後に体質が変わるとの記事を目にし、またリプロの基準値が変わったと知り、今回ヘパリン、バイアスピリンを使用しなくても良いとなった結果だとしても、一人目の時と全く同じ方法を夫婦共希望し、残りの凍結胚がダメだったら治療は終了する予定なので、不育症検査をして頂いたのですが、はじめから悔いの残らないようヘパリン、バイアスピリンを希望しております。このような場合、ヘパリン、バイアスピリンの使用は適応になるのでしょうか。それから検査をしていないのですが子宮収縮も産後の体質で変わってくるのでしょうか。

 

A 出産後に体質が変わる方がおられるのも事実ですので、第1子で引っかかった項目は全て再検査しておいた方が良いでしょう。当院の不育検査内容と基準値は、毎年再評価し改定しています。ヘパリン、バイアスピリンを使用しなくても良い結果が出た場合には、原則として使用しないことをお勧めしておりますが、ご希望の場合には第1子と同様にヘパリン、バイアスピリンを使用して頂いて構いません。また、子宮収縮状態は帝王切開の出産後では変化することがあります。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。