Q&A2650 弛緩出血2回、予防策は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 35歳、3回自然妊娠、2回出産(弛緩出血)


第1子出産(31歳)で出血800g

第2子出産(33歳)で出血1300g+200g(産後2時間)

第3子流産(35歳)9週CRL24mm、流産絨毛検査45XO、吸引法の手術後45日多めの出血が続く
 

第2子の遺伝病が発覚したため採卵+着床前診断し、今後移植予定です。
①移植法は自然妊娠している場合は自然排卵周期が良いのでしょうか。
②ホルモン補充周期や高度不妊治療で周産期の出血が増えるという話を聞きましたが、いかがでしょうか。出血が増えると聞いたのは第2子出産時に出血が多く「不妊治療しましたか?高度不妊治療で出血リスクが上がると言われてるので…」と医師に聞かれたためと、ホルモン補充周期で癒着胎盤が多いという報告があるためです(Hum Reprod 2019; 34: 1567)
③弛緩出血を繰り返している場合の移植方法は、出産の事を考えると自然排卵周期が良いのでしょうか。

 

A 

①自然妊娠している場合で35歳でしたら、自然排卵周期をお勧めいたします(なお、40歳以上ならホルモン補充周期をお勧めします)。
②確かに、ホルモン補充周期で癒着胎盤が多いという報告はありますが、過去2回は(真の)癒着胎盤ではないようですので、関係はありません。
③弛緩出血は、高度不妊治療(体外受精、顕微授精)とは無関係です。したがって、自然排卵周期とホルモン補充周期の良し悪しはありません。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。