☆新型コロナウイルス感染:産婦人科学会ガイドライン | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

日本産科婦人科学会および関連学会から、新型コロナウイルス感染への対応として最新のガイドラインが発表されましたので、よろしければご覧ください。

 

要点のみ抜粋します。

①6月10日現在、新規感染者は減少し終息に向かっていますが、局地的なク ラスターの発生や感染ルートが不明の感染者が一定数みられるので、今後も 厳重な注意が必要です。

②わが国では幸いなことに欧州各国のような感染爆発に至りませんでしたが、緊急事態宣言の解除後、行動の自由化に伴って再び増加する可能性や秋以降に第二波、第三波が到来する可能性がありますので、個人個人の感染予防と重症化予防が重要です。妊婦も高齢者や合併症のある患者さんと同様の扱い になります。

③感染が疑われる場合には保健所の相談窓口に連絡の上、対応医療機関への受診を指示してください。

④都道府県ごとに分娩施設やアクセスが異なりますので、地方自治体の担当部署にご確認をお願いします。

⑤新型コロナウイルスに感染した方の産科的管理は通常に準じますが、対応医療機関における院内感染対策には十分留意してください。なお、感染拡大に応じ、施設によって原則帝王切開とすることもやむを得ないと考えます。

⑥特に医療スタッフの感染防御には十分留意してください。

⑦感染者や疑い患者がおられなくても、施設内の清掃消毒、食事の個別提供(ビュッフェ形式は不可)、面会の制限など感染予防対策をお願いします。

⑧妊婦さんご本人と医療スタッフの感染リスクを避けるため、原則的に帰省分娩と分娩付き添いは推奨しませんが、地域ごとの感染状況によって弾力的に対応してください。

⑨担がん患者は新型コロナウイルス感染と重症化リスクが高いとする報告がありますので、必要に応じて治療計画の変更も考慮してください。

⑩生殖補助医療につきましては、地域ごとの感染状況に配慮し、徐々に通常診療に復帰していただきたいと考えますが、引き続き標準予防策の徹底など院内感染防御にご配慮ください。