Q&A2604 第一子出産後に受精しなくなりました | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第二子治療をしています。第一子も顕微授精で授かりました。

第一子と同様の刺激方法を行っていますが、1回目、2回目共に採卵数3個で、初期胚1つと6日目3BCのみ凍結できました。その後2段階移植をしましたが、陰性でした。3回目の採卵では、採卵前に9個の卵胞が見えていましたが、採卵してみると3つでした。そのうち1つが未熟卵で、残り2つを顕微授精でIMSI、PICSIも行いましたが、2つとも受精せずでした。1つは変性し、もう1つは前核が見えなかったそうです。

今まで採卵数は少ないながらも受精率は100%であったのに、突然受精さえしないというのはどういった事が考えられるのでしょうか。全く同じ刺激法ですが、急に合わなくなるという事はあるのでしょうか。また今後の対策はありますか。ビタミンD、DHEAを内服しており、採卵開始時にテストステロンの注射もしています。金銭的に最後の採卵にしようと思っていたところで、受精すらしないという結果に戸惑っています。もし採卵するならできる対策はしたいと思います。

 

A 出産後に身体の仕組みが大きく変わってしまい、以前とは別人のようになってしまうことがありますが、その理由は明らかではありません。補充を実施している現在のビタミンD、DHEA、テストステロンの数値の確認が必要です。もし、足りないようでしたらそれぞれ増量が必要です。また、精子の状態が変化した可能性もありますので、泌尿器科医による男性外来の受診もお勧めいたします。また、顕微授精で前核が見えない場合には卵子活性化をお勧めします。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。