嬉しい報告:6年治療し授かりました | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

ブログをずっと拝見させて頂いています。何度か質問もさせて頂き、お忙しい中を回答くださり、ありがとうございました。たくさん勉強させて頂いておりました。

晩婚だったので後悔したくなくて、結婚して半年後に不妊治療専門病院を予約しました。6年近く不妊治療をし、この度、42歳で第一子を授かることが出来ました。この一年で諦めようと思っていたところでした。主人の転勤に伴い引越し、私のストレスから解放された事と、ちょうど誕生日を迎え、この一年で諦めようとやっと思えたことで心が軽くなったことが一番大きかったように思います。

この数年は無我夢中で、頭の中は妊活のことばかりでした。何度も流産を繰り返し、辛さと苦しみしかありませんでした。とても遠いけれど、松林先生の病院へ通院したら違うのではないか、と悩んだりもしていました。地方の病院だから、失礼ながらも医師や施設のレベルなども全く違うのでは…自分の通う病院は大丈夫なのだろうか?と思ってしまったこともありました。

しかし、置かれた状況でやれる事をやる、と決意しまして、そんな時にちょうど、都会の不妊治療で有名な病院のお医者様が私の住む県へ病院を開院されだ事を知り、転院も考え行ってみました。そこで初めて知り得た検査がありました。私にとってとても大きなことで、流産は私の身体に悪い所があったわけではなかったという、安心感に変わりました。まだ新しい施設で体制がきちんと整われていなかったことがあったせいか、それまで通っていた病院の設備はしっかり整っていること、医師や看護師さんの配慮の素晴らしさ 、信頼感を改めて実感することもでき、信じることを貫く事にしました。

その直後の凍結胚移植にて授かることができました。凍結胚のグレードは真ん中くらい、6日目胚盤胞でどうかなと思っていましたので、ここまで無事に育ってくれた奇跡にとても感動しております。あまりにもひとつひとつの些細なことを気にして、考えすぎていた気がします。真ん中のグレードの6日目胚盤胞ちゃんを、転院しようかと考えた先のお医者様は「とてもいい卵ですよ」と仰ってくださいました。この言葉が私の気持ちをまた大きく変えてくださり、凍結胚を信じて安心して判定日を迎える事ができました。

ここまで何事もなく順調に赤ちゃんはすくすく育ってくれており、感謝する毎日です。無事に出産できることを今はひたすら願っているところです。

今振り返って思うことは、治療を始めた頃にすぐに体外や顕微授精に勇気を出していたら良かったかな…と思う事もありますが.今が授かるその時だったんだと夫婦で感じております。精神的に参ってしまった時もたくさんありましたが、頑張ってきて良かったです。環境や心境を変えることは妊活中はとても難しかったです。考えないでおこうと思っても無理でした。頭ではわかっていても、心が付いて行かないものです。私の場合はたまたま、環境の変化などが心境を良い方向へ変えてくれました。

松林先生も妊活中の皆さんに伝えることは難しい時もあるかと思います。私は松林先生のブログで学ばせて頂いたことが、自分の妊活にもとても影響しました。これからもお忙しいなか本当に大変かと思いますが、ブログも頑張ってください。本当にありがとうございました。

 

 
コメント:まさにニュートラルな気持ちですね。