Q&A2035 第2子希望、かすりもしません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 無精子症で顕微授精をし、ホルモン補充周期で5日目胚盤胞を移植し、第一子を妊娠・出産しました(当時27歳、2回目の移植、SEET法+AHA+5BB)。

現在31歳、第二子希望で通院中なのですが、移植準備期間に服用したプラノバールで副作用が強く出てしまい、自然周期で挑戦中です(1人目の時はプラノバールの副作用が全くありませんでした)。副作用が吐き気のみなら我慢できたのですが、片側のふくらはぎの痛みや片手指のしびれ、浮腫みなどが出てしまい、血栓症の初期症状だといけないからとの見解で、私も娘を残して死ねないと、もうホルモン補充周期は怖くてしたくないという気持ちです。しかし、自然周期で行った2回の移植結果は、着床すらしないものでした。ちなみに1人目の時と同時期に凍結した5日目胚盤胞で、グレードも4BB、3ABと悪いものではありませんでしたが(AHAもしてもらい、両方移植時には5BB、5ABになりました)かすりもしませんでした。いずれも自然排卵から5日後に移植しています。

2回ともかすりもせず、胚盤胞残りあと1つしかありません。なんとかしてホルモン補充周期で行うべきなのか、自然周期でERA検査をするべきなのか、同じく自然周期また移植して良いのか…悩んでいます。通院先の医師は、タマゴの生命力、どんなによくても成功率40パーセントなので、60パーセントは陰性に終わるから、気にしなくて良い、と言った感じです。先生ならどうされますか。アドバイス頂けないでしょうか。なお、年内は治療をお休みする予定です。

 
A プラノバールは副作用が出る方が少なくありません。出産後の体質の変化もあり得ます。プラノバールを使わないホルモン補充周期で実施してみることをお勧めします。なお、ホルモン補充周期では、血栓予防対策が必要不可欠だと思いますので、当院では必ずバイアスピリンとユベラを使用しております。
 
また、出産後に着床障害が生じる可能性もありますので、着床障害に関連するオプション検査もお勧めします。すなわち、慢性子宮内膜炎検査、子宮収縮検査、銅亜鉛検査、ビタミンD検査、不育検査です。
 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。