Q&A2025 精液量が少ないです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2012.10.5「☆精子はためた方がよい?」の記事を読ませていただきました。

50歳を過ぎて精液量が少なく、採卵時に持参する時も1.5mL程度の主人なのですが、禁欲期間を短くすると、何も出ない状態です。こんな場合はどのようにするのが理想ですか。自然妊娠するのに必要な量は2.0mLと聞いたことがありますが、本当ですか。精液量を増やす努力はできるのでしょうか、何をすればいいのでしょうか。運動率や、奇形率などを調べてもらいましたがそれは異常ありませんでした。体外受精の場合、それなら問題ないのでしょうか。

私は43歳で採卵で10個ほど取れますが、結局胚盤胞まで育つのは3個くらいです。この原因は卵子の老化と思われますか。精子にも原因はありますか。胚盤胞到達までを増やすには何がキーポイントになりますか。
 

A WHOが定めた精液検査の基準値は、妊娠出来る基準ではなく、あくまでも目安に過ぎません。精液を作るスピードは年齢と共に低下しますので、現在1.5mLというのは通常通りと思います。なお、精液量を増やすには亜鉛のサプリメントが良いとされています。質問者さんのように禁欲期間を短くすると何も出ない方は、少し長くしてみてください。

また、胚盤胞になるためには、良い精子と良い卵子の両方が必要ですが、43歳で10個取れ3個胚盤胞まで育つのは良い方だと思います。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。