Q&A2013 PGS異常胚ばかりです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 34歳の時、1人目は不妊専門病院で、夫婦で一通り検査後、一度目のタイミングにて授かり、35歳で出産しました。

37歳の時そろそろ2人目をと考え一般の婦人科にてタイミング1年半、人工授精1回で一度もかすることなく焦りを覚え、転院し一通り夫婦とも検査後、39歳でPGSを受けました。現在2回採卵しましたが、正常胚が見つからず不安に感じています。

治療内容は下記の通りです(低AMH 0.89のため低刺激)。
1回目→クロミッド10日+HMG→2個採卵→ふりかけにて1個胚盤胞→PGS異常胚
2回目→クロミッド10日+HMG→成長遅く5日程採卵日伸びる→6個採卵→ふりかけにて2個胚盤胞→PGS異常胚

毎回胚盤胞に育ってはいますが、異常胚であり、先生のブログで初期胚移植で妊娠されることもあるのを拝見すると、このまま正常胚が見つかるまで採卵を続けた方がいいのか、初期胚移植も試すため転院した方がいいのかと悩んでいます。

最初の採卵では2個中の1個は多精子受精なのでたまたま運が悪かったとの認識、2回目の採卵では6個中4個が途中で成長が止まっています。成長が止まる前の初期胚で移植したら、お腹の中で成長する正常胚の可能性はあり得るのでしょうか。PGSさえ受ければ大丈夫と思っていたのですが、どうもそういうわけにはいかないようです。同じような悩みを抱えている方もいらっしゃると思いますので、ブログにてご回答頂ければ幸いです。

 

A 39歳の女性の胚盤胞の染色体正常率は約50%ですので、3個とも異常というのは不自然です。AMHが低下していると刺激周期が出来ないというのは誤りですし、刺激薬剤の変更により染色体の正常異常が変わる可能性がありますので、ぜひ刺激周期で行なってみることをお勧めいたします。

また、体外培養で胚盤胞にならない胚でも、初期胚移植により子宮内で胚盤胞になる可能性がありますので、(PGSできませんが)初期胚移植もありです。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。