嬉しい報告:リプロで慢性子宮内膜炎治療後、自然妊娠 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

昨年春にリプロ東京の電話予約開始と同時に転院し、凍結胚も全て移送しました。
初診の日に松林先生に診察して頂き、予約もないのに初診で慢性子宮内膜炎の検査をして頂き、全てのオプション検査もお願いしました。このスピード感のある治療と対応に転院は間違いない!と確信しました。

 

結果、慢性子宮内膜炎が陽性で治療し即陰性化。翌月に驚きの自然妊娠。40歳にして初めての妊娠でした。その妊娠は初期で流産してしまいましたが、すぐに治療の成果を実感しました。同じ頃、体重を順調に減らしていた事も良かったと思います。流産後、体調を整えてホルモン補充周期。胚盤胞2個移植で妊娠。7月に女の子を無事に出産しました。
リプロ東京での初めての移植でした。妊娠中は、妊娠高血圧も妊娠糖尿病もなく過ごしました。子宮頸管が短くなり、自宅安静→34週から念の為に2週間安静入院しましたが、問題なく39週に普通分娩で出産しました(^O^)

 

ギリギリ30代の時の胚盤胞を持っての転院でしたが、前の病院で新鮮胚1回。凍結胚2回と移植失敗続きだったので初回での成功に半信半疑でしたが、不思議と普通に生活し判定日までも何故か普段通り。本当にニュートラルでした。今は1ヶ月検診も終え、新生児の授乳授乳の日々で大変ですが、隣りでスヤスヤ眠る娘の姿に幸せを実感しています。人工受精から始めて、途中約半年の中断がありながら不妊治療3年3ヵ月。RCTでは、様々な検査の期間を含めても半年。初回の移植での成功でした。新幹線での遠距離通院も全く苦にならず、むしろ転院前より待ち時間も短く通院のストレスも減りました。東京にクリニックが出来なければ、私が通院することは出来ませんでした。全てのタイミング。出会いに感謝しております。有難うございました。

 

コメント:慢性子宮内膜炎が見つかると、全く着床しないか、少ししか反応が出ません。慢性子宮内膜炎治療後すぐに自然妊娠していること、さらに初回移植で出産していることが、それを物語っていると思います。

 

なお、最近慢性子宮内膜炎の検査をする施設が増えてきておりますが、検査時期は低温期(生理終了後排卵前)がベストです。高温期にERA検査と同時にされる施設もあるようですが、内膜が厚くなると内膜の一番下の基底膜まで内膜を取ることができず、診断見落としのリスクがあります。せっかく検査されるのでしたら、適切な時期に実施して欲しいと思います。慢性子宮内膜炎の第一人者である、リプロ大阪院長の北宅先生のブログ記事、2018.8.19「着床不全・着床障害:特集~慢性子宮内膜炎 ~診断に適した・適さない時期がある」をご覧ください。