Q&A1880 IVMすべきですか? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 33歳、左側卵管閉塞、AMH 14.5、多嚢胞胞性卵巣症候群(PCOS)、インスリン抵抗性、高プロラクチンぎみ、第2子希望

 

2年前にIVMで4個未成熟卵を採り、そのうち1個だけ受精卵(8分割胚)ができました。その1個を移植して妊娠しました。1回目の採卵のときには、AMHが20近くありましたので医師の勧めによりIVMで行いました。正直、IVMは採卵率など低く1度で妊娠できると思っていませんでした。今、二人目希望のため通院していますが、また先生からIVMで採卵するように言われています。AMHが高過ぎる場合、IVMしか方法はないのでしょうか。できれば、成熟卵で採卵して凍結できる胚もほしいです。2年前よりIVMは、採卵率、授精率が上がっているのでしょうか。

 

A IVMはPCOSの方にOHSS回避の目的で実施されましたが、普及していません。その理由は、成功率が低いこともありますが、IVMでなくともOHSSを回避して成熟卵を確保し、受精卵を作ることが難しくなくなったからです。これには適切な刺激薬剤の選択と、OHSS回避方法の改良がなされたためです。当院では、AMHが30程度の方でも問題なく採卵できています。

また質問者さんの場合、AMHは第1子の時より現在はかなり低下(AMH 14.5)していますので、私はIVMでなくとも十分採卵も妊娠も可能だと思います。

 

なお、このQ&Aは、約4ヶ月前の質問にお答えしております。