Q&A1649 早発型妊娠高血圧症候群の予防は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q  2015年、第1子を妊娠高血圧(PIH)とHELLP症候群により29週4日で840gの娘を早産しました。23週のスクリーニング検査の時から胎児発育遅延の指摘を受けており、27週でPIHを発症しました。搬送された大学病院で、胎盤が丸く、厚みがあって良い胎盤ではないと言われました。投薬したにも関わらず血圧は180越え、体重は14㎏増とかなり辛かったです。 今から思えば、普段100/60程度だった血圧が妊娠中120/70程度に上がっていたので最初から予兆はあったのかもしれません。

現在第2子を妊娠し4ヶ月に入ったところですが、再発、早産を避けるべく、出来ることはしたいと考えております。妊娠12週より、大学病院からドメナンの処方を受け服薬しております。第一子の産後、血液検査で不育症と血液凝固系を一通り調べましたがすべて基準値内でした。 体重増加や減塩など、一般的に言われていることは気を付けておりますが、早発型の場合これらは関係なく発症する、妊娠成立した段階でPIHになるかならないかは決まっていると言われており、効果がないのではと懸念しています。私は現在32歳、高齢出産でもなく、妊娠前のBMIは20ですが、身内(父、叔父、祖父)が高血圧であることがリスク因子と考えています。第1子、第2子ともに自然妊娠で、現在のところ、今回は妊娠前から血圧の変化がありません。
松林先生のご知見で、他にPIHやHELLP症候群を予防するためにできることはありますでしょうか。お腹の子につらい思いをさせたくないのはもちろんですが、HELLP症候群の胃痛がとても辛く、もう一度同じことを繰り返したくありません。

  

A まずは、2016.8.1「Q&A1169 ☆妊娠高血圧症候群の予防策は?」の記事を参照してください。抗リン脂質抗体は可能な限り全ての項目の検査を推奨します。ドメナン(卜ロンボキサン合成酵素阻害剤)の有効性も小規模な研究で報告されていますが(6論文)、それよりもスタチン製剤の有効性が期待できます(52論文)。大学病院の先生に相談してみてください。

 

下記の記事を参照してください。

2013.6.26「☆妊娠高血圧症候群の予防にはアスピリン

2016.8.1「Q&A1169 ☆妊娠高血圧症候群の予防策は?