Q&A1531 移植の順番とマグネシウム製剤 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 以前、松林先生から採卵・貯卵について多くのアドバイスをいただきました。おかげさまで現在は、元気いっぱいでもうすぐ二歳になる息子の母親をやらせていただいております。

妊活していた頃は、自分が母親になった時、一人の子供で手一杯なになるのか、それともまだまだ挑戦したくなるのかわからなかったので、当時は採卵を繰り返し、10個の受精卵を凍結しました。幸い一回目で出産に至ったので現在9個の凍結卵があります。

そして今回のこの相談で、松林先生からのアドバイスがあり次第、第2子にむけて妊活を再開しようと思っております。相談内容は、できれば次は女の子を産めたらいいなと贅沢ながら願っていることです。授かることさえできれば、そして願わくば健康であれば性別など関係ないのだと思っています。ただ、現在の受精卵の状況から、女の子がほしければどの卵からもどしていくのが確率が高くなるのか教えていただきたく思っております。凍結卵の表記の仕方が貴院や他院と違うようで曖昧な点があるかと思いますが、現在凍結されている受精卵を表記させていただきます。

一回目採卵⇒6日目exB-BC
(松林先生からのアドバイスをいただいてない頃で、主治医が保守的であったため刺激が弱く採卵も8個に留まり、受精したのは二個、PCOSの私は未熟卵だらけでかろうじて一個凍結できました。この受精卵も途中経過では分割不良で凍結には至らないだろう、全滅するだろうと予想された位の受精卵でした)

二回目採卵⇒5日目exB-BB(この受精卵で息子を授かりました)、培養3日目凍結が7-と10+-
(二回目採卵から松林先生のアドバイスを全面的に取り入れ、刺激を強くしてもらい未熟卵が多くても、とにかくたくさん採ってもらうことに主治医を説得しました。そしてこの時の受精卵で出産できました)

三回目採卵⇒5日目exB-BC、6日目exB-BB、exB-BC、3日目培養凍結が9-、8-、7-

以上をまとめると、残っている受精卵は
3日目培養⇒7-、7-、8-、9-、10+-
5日目exB-BC
6日目exB-BB、exB-BC、exB-BC
の合計9個です。

今年8月で39歳になりますが、受精卵は全て私が35歳の時に採卵・凍結したものです。松林先生の以前の論文紹介で、私の相談内容について参考になる内容が記載されているものがあったと思いますが、私のネット環境がガラケーのみで過去の記事を検索する機能がなく、現在読み返すことができません。また、以前その論文を読ませていただいた際も自分の凍結卵とのかねあいが上手く結びつかず、2子目を目指す時にはもう一度ご相談たせていただきたいと思っておりました。貴重なお時間をいただいてしまい大変恐縮ではありますが、女の子妊娠にむけて、移植していくべき凍結卵の順番について是非御教授をお願いいたします。第2子を出産できる日がきたら改めて嬉しいご報告としてメッセージさせていただきたいのですが、今私が母親をやれているのは松林先生のアドバイスのおかげです。ありがとうございました。


また、私は便秘のため長年肛門科でマグミットを処方してもらい服用してきました。肛門科では妊娠しても服用可と言われていましたが、不妊治療を行ったクリニックの主治医は私が妊娠した際にマグミットを服用していることを伝えると、その場で薬辞典をめくり、服用はだめだとの判断で液体の下剤を服用するよう指示がありました。その後、妊娠経過が順調だったのでクリニックを卒業し、大学病院に通院を始めたのですがどの医師もマグミットなんて全然大丈夫とのことで服用を再開しました。液体の下剤は夜服用すると明朝確かに便通はあるものの、かなりの腹痛を伴うため「そんな痛み我慢しなくていいよ」と大学病院の先生はおっしゃっていました。不妊治療クリニックの主治医は保守的な医師で、安全を常に第一に考えてくださったのだと思いますが、また妊娠が叶った際にマグミットを中止するよう指示があると思うと不安です。通院・出産した大学病院では全く問題ないと言われたと伝えようとは思っていますが、マグミットについては医師によって賛否両論あるようですので、是非松林先生のご意見・アドバイスをいただきたく思っております。 現在、酸化マグネシウム錠330mgを4~6錠/日(ほぼ6錠の日が多い)服用中です。一日に6錠まで服用可とのことですがこのことについて御教授よろしくお願いいたします。マグネシウム服用により普段は下痢をしやすいのですが、第1子の際は6錠服用でも便秘がちになりました。
 
A 胚移植の順番は、下記をお勧めします。3日目胚は不明です。
6日目exB-BB→6日目exB-BC→5日目exB-BC
 
また、マグミットなどのマグネシウム製剤は、妊娠中に安心して服用できる下剤として、最も良く使われています。マグネシウムには、子宮筋を弛緩する作用があり、切迫早産の予防や治療にも使われています。