Q&A1527 カラードップラーエコーで血流豊富な所見あり | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 妊娠20週6日流産後、2ヶ月経過

その後の診察で、子宮の戻りが悪いことと、カラードップラーエコーで子宮の右側に血流豊富な所見がみられることにより、数ヶ月ナサニールでの偽閉経療法を行うと言われました。その治療後に採卵を勧められたのですが、果たして偽閉経療法が本当に必要なのでしょうか。

 

A 記載された情報だけでは断定的なことは言えませんが、主に2つの場合に分けられると思います。「子宮内腔に近い部分」に血流豊富な所見がみられるなら「動静脈瘤」が疑われます。この場合には、子宮からの予期せぬ大出血を防ぐために「子宮動脈塞栓術」が推奨されます。また、「子宮の外側」に血流豊富な所見がみられるなら「血管の怒張」が疑われます。この場合には、採卵時の出血を防ぐために「偽閉経療法」を行うのも一法でしょう。