Q&A1525 27週、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児死亡 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 先日、第1子の男児を、27週で妊娠高血圧症候群で入院、その後子宮内胎児死亡で亡くしました。妊娠高血圧と不育症の因果を疑い、不育症専門のクリニックで血液検査と内診をして頂いたのですが、異常がありませんでした。

しかし今回、妊娠初期の出血、胎児低体重、妊娠高血圧があったため先生の経験上不育症の線は捨てきれず次の妊娠時ヘパリン治療を勧められています(アスピリンだけでもいいが出来ればヘパリン併用がいいとの事です)。私としては不育症クリニックの先生のアドバイスに従いヘパリンを使用しようという考えではありますが、異常なしなのにアスピリンだけでなくさらに効果抜群なイメージであるヘパリンも併用した方が良いというのは何故なのでしょうか。松林先生のブログでアスピリンとヘパリンの作用の違いについては何度か目にしていて、アスピリンの効果が期待できない凝固因子があると仮定しての対策なのかな…とぼんやり解釈していますがあっていますでしょうか。

A 不育症の検査は日々進化しています。私が20年前に行っていた検査と現在の検査は半分が入れ替わっています。したがって、最新の検査で全ての項目を網羅する必要があります。また、不育症の検査の判断基準は「妊娠を目指す方の判断基準」ですので、一般の基準(内科的基準)とは異なります。他院で検査し異常なしと判断された検査結果を見ると異常ありの場合が少なくありません。ぜひ、不育症専門医の診断を受けてみてください。