Q&A1494 着床期に発熱した場合 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 海外で第二子の治療中

先日ようやく着床前診断でノーマルの胚盤胞ができ、2日前に移植しました。夫の風邪がうつらないように大変気をつけていたものの、着床後すぐに熱が出始めてしまいました。微熱でもなかったのでクリニックですすめられた解熱剤(タイレノール)を服用しており、薬の利いている間は平熱に戻りますが、すぐまた高熱が出てしまいます。1日に服用できる量を超えないように気をつけていたので、気づいただけでも39度代が2回、38度代が4回あり、受精卵は熱に弱いということをいうことでただただ涙が出て落ち込むばかりです。現在熱が出始めてから48時間が経過しており、解熱剤で熱を下げているせいかまだまだよくなる気配がありません。インターネットで検索しても個人的な経験から大丈夫でしたとかだめでしたというものしか見つからず、松林先生なら熱による影響についての論文を読まれたことがあるかと思いメッセージを送らせていただきました。

 

A 精子も卵子も熱に弱いものですから、熱が出たらすぐ解熱させる必要があります。しかし、一部の解熱剤は着床を妨害するのではないかとする論文があるのも事実です。したがって、解熱剤を使うべきか使わないべきか、大きなジレンマに陥ります。移植前なら間違いなく移植をパスしますが、移植後であれば、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェンを推奨します。

 

下記の記事を参照してください。

2017.1.12「☆妊娠前の鎮痛剤使用と妊娠成立の関係

2013.11.10「☆鎮痛剤を飲んでよい時期と種類は?