Q&A1486 NK活性が高いです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫婦ともに28歳
妻は多嚢胞性卵巣で、自力排卵できることもあります。2016年5月より体外受精に挑戦しています。クロミッドとHMGで誘発し5個採卵しました。体外受精を行なったところ、1つはあかちゃんになる部分がCということで廃棄、3日目10細胞を新鮮胚移植、残り3つの5日目胚盤胞(5BA、4AB、4BB)を凍結しました。
①新鮮胚移植→化学流産
②凍結胚盤胞5BAを融解し6BC→化学流産
二回失敗した時点で、大学病院にて不育症検査を行なったところ、NK 活性のみ42%でひっかかりました。プレドニン5mgを一日1錠1ヶ月間服用し再検査したところ、62%まで上昇してしまい、現在漢方でほ治療も併用しています。わたしの住んでいる地域では、わたしが通院している大学病院くらいしか不育症の検査をしていません。この治療でNK活性は低下するのか不安です。下がらないと、妊娠許可がでないのでそれもストレスです。なにか自分でできることはありますか。
また、NK活性が下がって体外受精をすれば、妊娠できるのでしょうか。

 

A おそらく、不足している不育症検査が多数あるものと思われます。不育症の領域は進歩が早いため、保険が追いつかず、自費検査が多数あるからです。しかし、大学病院は新しい検査導入に大きなハードルがあることが少なくありませんし、自費の検査が多くなる状況を良しとしません。したがって、民間のクリニックで不育検査を網羅する必要があります。

また、NK活性が42%というのは下げる必要のない数値ですし、プレドニン5mgでは低下しません。現在のNK活性は62%ですから、私ならイントラリピッドの点滴とヘパリン注射を併用します。また、NK活性は気持ちの持ち用でも変化しうるものです。ニュートラルな気持ちを心がけてください。

 

下記の記事を参照してください。

2014.7.8「Q&A392 ☆NK活性が高い場合