Q 不妊治療を諦めて養子縁組をしようとしても現状若い夫婦が優先され治療を諦めた夫婦は年齢の事もあり、なかなか願いが叶わないとのこと。調べても海外の情報しかなくて…。今日リプロで採卵した知り合いが(無事採卵は出来たんですが)帰りに養子縁組についての本を2冊買って帰ったそうです。でも実際それも厳しいとのこと。
私は松林先生をはじめスタッフ皆様のおかげで初めて妊娠する事が出来ました。現在21wに入ったところです。自分もまだ無事に出産まで辿り着けるか分からない状態です。なのでこんな気持ちおこがましくも思いますが一緒に治療を頑張った仲間、なんとか成功して欲しいと日々祈っています。でも年齢の事もあり限界を感じ、最終自分達の子供じゃなくてもと前々から情報を集めておられましたが、実際厳しい現状があるみたいで。もし日本で可能であれば。採卵した日に本を買って帰った事を知り胸が締め付けられる思いでした。なんとか今回の卵でうまくいって欲しいですが。
2014年度、日本では513件の特別養子縁組が成立しましたが、極めて少なく、件数は伸び悩んでいます。その背景として下記が考えられています。
1)認知度が低いこと
米国では養子縁組が国の児童福祉政策の一環と位置づけられ、養子縁組に関する認知度も9割近くととても高く、自らのお子さんがいても養子縁組をされる方も少なくありません。また、白人夫婦に黒人や黄色人種のお子さんを迎えることも珍しくありません。米国では年間12万件を超える養子縁組が成立しており、ステーブ・ジョブズさんを始め養子出身の有名人も数多くおります。英国やフランスでも毎年5千件の養子縁組が成立しています。日本の人口を考慮すると年間6万件程度に相当します。
2)行政からの補助金がないこと
民間事業者のあっせんに必要な実費を、養親が全額負担しているため、経済的負担から養親の数が増えにくい実情があります。
3)特別養子縁組よりも乳児院への措置が一般的であること
児童相談所の対応としては、親元で育つことのできない乳児を特別養子縁組に頼るのではなく、乳児院に措置することが一般的となっています。その背景として、
1 児童相談所はその仕事に対してマンパワーが足りていないこと。
2 特別養子縁組のあっせんは2歳以上であるべきいう考えが存在すること
3 児童相談所は地方公務員であるため、各都道府県の管轄下に置かれていること
があります。また里親委託や養子縁組を担当する専任の常勤職員が少ない事実があります。
4)養親に課される条件によって、養親の数が増えないこと
厚生労働省のガイドラインでは「子どもが成人したときに概ね 65 歳以下となるような年齢が望ましい」とされており、これに従って多くの民間あっせん事業者が養親に対して年齢制限を設けています(女性年齢として45歳まで)。しかし特別養子縁組を希望するのは多くの場合、妊娠治療を長期間行なった夫婦であり、養親を希望した時には年齢の上限を超えていることが少なくありません。
5)養親の片方は専業主婦(主夫)が条件にされている場合があること
多くの民間あっせん事業者では、夫婦の共働きを規制する事業者が少なくありません。しかし、現代に日本において、専業主婦となることを強制するのは非現実的です。
私は、宗教的なバックグラウンドがないことも問題点の一つであると考えています。欧米のようにキリスト教のバックグラウンドがあれば、「人類みな兄弟」として全てのお子さんが神の子です。人種や肌の色が異なっても分け隔てなく育てることができますが、日本ではなかなか受け容れられません。