Q&A1400 子宮外妊娠と子宮後屈の関連は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 31歳(夫36歳)で結婚後、一年間なかなか妊娠することができず、地元の小さな産婦人科で不妊相談をしたところ、経腟エコーにて「子宮後屈」であると言われました。そのため、性交後は仰向けではなくうつぶせになってみてねとのアドバイスをいただき、タイミングもみてもらったのでその通りに実行したところ、すぐに妊娠反応が出たのですが結果的に左卵管の子宮外妊娠でした。

胎嚢あり、心拍確認なしで妊娠5週と言われましたが、その後出血が止まらず不全流産だと診断され、子宮内容物除去手術を受けましたがHCG下がらず、総合病院へ転院しました。その後、血中HCG4000で卵管温存のためMTXの治療を受けました。現在はHCG陰性となりました。あと二回生理を見送ってから卵管造影検査を受けます。
次の妊娠を考えるにあたって、もしかしてあの性交後の体勢が子宮外妊娠につながったのかなと不安になっています。たしかに性交後に仰向けになっていても全く妊娠できなかったので、今後また妊娠したいと考えるなら、性交後にうつぶせになる方法をまた試したほうが妊娠の確率はあがるのかな?と思うのですが、、、子宮外妊娠の経験はとてもつらかったのでまたなりたくないのが一番の思いです。
子宮後屈であることと子宮外妊娠のなりやすさに関係性はありますか。子宮後屈なので性交後にうつぶせになるのは子宮外妊娠の可能性を高めますか。

A 子宮外妊娠と子宮後屈の関連は示されていません。そもそも、着床するのは排卵から1週間後です。性行為の際の身体の向きは、着床とは全く関係ありません。それよりも、着床期の子宮収縮など他の要因が関与している可能性が高いと思います。是非とも、着床期の子宮収縮検査(エコー動画検査)を行ってみて下さい。