海外からの嬉しい報告 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2015.1.31「Q&A589 41歳、海外在住、早発閉経、卵子提供治療中」で質問させていただいた者です。
 

その後2016年11月に、胚盤胞を黄体ホルモン補充開始日を0日として7日目に2個移植し、おかげさまで双子を妊娠いたしました。先週不妊治療クリニックを卒業し、産科に転院いたしました。これまで長年不妊治療を続けて参りましたが一度も着床したことがなく、今回を最後に治療をあきらめるつもりでおりました。

今回これまでの移植と異なった点は以下です。
1 移植日を後ろにずらした(黄体ホルモン補充開始日を0日として、5日でなく6日にした)
2 TSHを管理した
3 鍼灸に通っていた(週1回2年以上)
先生から回答をいただいて、まだ試験段階で確証がないということからERAテスト・TGFβの検査は受けず、慢性子宮内膜炎の検査のみ行うことに決め、慢性子宮内膜炎の検査結果は陰性でした。そして先生のアドバイスどおり移植日を後ろにずらして移植を計画していたところ、身内に不幸があり、しばらく治療をお休みしており、このタイミングになりました。

TSHを管理したというのは、私は不育症の検査で、TSHが少し高い、ということは以前からわかっておりました。しかしチラージンを少量服用し、数値は安定しておりましたので、これまではホルモン補充直前の検査で数値が安定していれば、通常通り移植のサイクルに入っていました。今年治療を再開し、8月に移植を計画し、移植サイクルに入った後、クリニックにTSHの検査を依頼してみたところ、ホルモン補充をはじめたとたん、TSHが急上昇しました。チラージンをサイクル前と同量服用していたにもかかわらず、8まであがったのです。そこで8月の移植はキャンセルとなり、11月に延期になりました。11月移植のサイクルでもやはりホルモン補充を開始してすぐTSHが急上昇したので、チラージンを増量して管理した上で、移植しました。

TSHを検査することを思いつきましたのは、先生からの下記メッセージのおかげです。
「着床障害については何もわかっていない、のが現状です。新たに登場した検査なども研究段階のものですので、気になったことは潰していくというスタンスで取り組んでみて欲しいと思います。正解が何なのかは誰にもわからないのです。」この言葉を読んで、やれることは全て、気になることは全てやってから諦めようと決心がつき、TSHの検査もふと思いついたのです。鍼灸に通ったのも、先生のメッセージゆえです。

妊娠にいたりましたのは、ひとえに先生にご相談でき、貴重なアドバイスをいただいたおかげだと感謝しております。まだ安定期まで少し時間はありますが、週1回の検診で、順調に成長しております。出産できましたらまたご報告いたします。

本当にありがとうございました。