Q&A1396 健康的な食生活とは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2015.5.4「☆子宮内環境は食事で変わる」の内容について質問があります。

「健康的な食生活(新鮮な野菜、フルーツ、全粒穀物、魚が多く、肉類と脂肪の少ない食事)の方と比べ、不健康な食生活(逆のパターン)の方では、アスパラギン、ヒスチジン、セリン、グルタミン、バリン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシンの濃度が有意に高くなっていました。」と記載して絵あります。この内容では不健康な食事の方が、アミノ酸濃度が高くなっていると解釈できるような気がしますがどうでしょうか。
 
A おっしゃるように本論文は、ここに記載されているアミノ酸(アスパラギン、ヒスチジン、セリン、グルタミン、バリン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン)の子宮内の濃度は、不健康な食生活の時に高くなることを示しています。あくまでも、ここに記載されているアミノ酸の良し悪しを述べているのではなく、食事によって子宮内環境が変化することを示しています。
 
もう1点は、解説に書きましたように、マウスでは母体の低アミノ酸状態は着床を促進するという報告がありますので、ここに記載されているアミノ酸が子宮内で増えることは着床には良くないのではないかと考えます。