Q&A1354 子宮後屈での移植は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 36歳、海外在住

初回採卵、新鮮胚移植を顕微授精で行い、結果陰性で終わりました。凍結受精卵は3AAの1つのみです。顕微授精にトライした理由は男性不妊です。私にはとくに問題がみつかりませんでした。
次の生理を待ちながら、陰性に終わってしまった結果と次回の移植について担当医をお話ししてきました。私は’子宮後屈’ということが初めて判明しました。これまで何度もエコーしてきたのに、エコー専門医は一度もこれに触れずにきました(エコーだけではわからないことなのかな?とも思いながら)。これは病気ではないので、とくに問題ないけど、移植当日に子宮の入口付近が少し盛り上がっていることが判明し、胚が置きずらかったわね(←結果、あまりの痛みに耐えられず、局部麻酔を途中から打ってもらい、移植終了(30分前後)しました)。でもこの’盛り上がり’が一体何なのかは手術しないとわからないと説明をうけました。
担当医は、’1つの凍結胚しかないので、2カ月間お薬を服用し質の良い卵を採卵し、その後’この盛り上がり’が何なのか診ながら、子宮後屈を治し、その後ICSIにトライするという選択肢もある’と伝えられました。
私は今日担当医に会うまで、今回生理が来たら、残り1個の凍結胚を移植する気満々でいました。正直、どちらの選択が正しいのか、判断つきません。松林先生の患者さんが私と同じような立場なら、どんなアドバイスされますか。担当医は、今度の生理がきたらICSIすることもできるが、今回は採卵と同じように全身麻酔することを伝えられました。私は判定日当日に服用していたお薬を止め、3日目でいつもより、若干重めの生理がきましたが、他とくに問題なく生活しています。お薬服用中も、これといって副作用なものを感じることはありませんでした。

 

A どのような状態なのかイメージが湧きませんが、私は医師の言い訳のように感じます。子宮後屈の方の妊娠率が低くなるという証拠はありません。かつて、子宮後屈の手術をしていた時代もありましたが、その手術に全くメリットがないことが判明した現在では、その手術は行なわれません。他の医師に変更して、凍結胚移植をトライすることをお勧めします。