Q&A1313 子宮動静脈奇形/子宮動静脈瘤 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 33歳
体外受精で第1子を緊急帝王切開で出産、2年半後体外受精にて2人目を妊娠しましたが20週で流産となりました。原因は絨毛膜羊膜炎でした。なお、1人目を妊娠する前に部分胞状奇胎で流産、2人目を授かるまでに1回稽留流産を経験しています。

20週での流産後の悪露が1ヶ月、そのまま生理のような出血が始まり3週間以上になります。その間に3回大量出血をしています。今は終わりかけのようなものがダラダラ続いていますが、前回受診の際に子宮動静脈奇形の可能性が高いと言われました。造影やCTはやっておらず、エコーで血流の流れを見ていただいて言われました。造影は喘息のためできない、CTは昼食後の受診だったためできませんでした。1ヶ月ごとの経過観察となり、また大量出血したときには検査をするということになっています。
ネットで調べても稀ということで情報がほとんどなく、不安ばかりが募っています。まず子宮動静脈奇形について何でもいいので情報がほしいのと、もし動静脈奇形だった場合でもこの先妊娠できるのか、もし違う病気だとしたらどんなものがありえるかをわかる範囲で教えいただきたいです。

 
A 子宮動静脈奇形とありますが、子宮動静脈瘤のことだと思います。
出産や流産後に後天的に子宮動静脈瘤が生じ、出血を繰り返す場合があります。時には大出血となり、患者さんも医療者も怖い思いをします。このような場合の解決策は、子宮動脈塞栓術や子宮動静脈瘤のアルコール固定です。私も大学病院勤務時代に1名経験があります。その方は、処置後に出血が収まり、その後妊娠され出産しています。放射線科医と婦人科医のチームワークが重要です(大学病院や総合病院の規模の病院でなければ実施できないでしょう)。