Q&A1263 海外在住、精子運動率 0%、生存率 2% | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 海外在住、夫 40才、妻 35才、不妊歴約2年。
夫の精液検査をしたところ運動率 0%、生存率 2%という結果でした。顕微授精をする方向で話をしているのですが、夫へ薬の処方があり3ヶ月様子を見てから実施することになりました。しかし、薬を飲み始めて1ヶ月経過した頃に再検査をしたら生存率も0%になっていました。このままでは顕微授精すらチャレンジできない状況です。
先日、日本に帰国する機会があったので、日本の婦人科にも診察に行きました。そしたら、夫へTESEを勧められました。私の住んでいる国ではTESEができません。なので、日本でTESEを受けて実施しようかと考えていますが、可能性はあるでしょうか。
また、何故前は2%あった生存率が0%になったのでしょうか。生存率が上がることは期待できるでしょうか。

 

A 精子の状態はその都度変化します。まるで別人であるかのように大きな変化をされる方もおられます。したがって、生存率が0%だったり2%だったりしても何ら不思議ではありません。

射精した精液中に運動精子がいない場合は、精巣精子の選択が有効です。ぜひ、日本でTESEを行ってみてください。十分チャンスがあると思います。当院ではそのような方が大勢妊娠されています。