Q&A1121 37歳、採卵4回、移植6回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 37歳、採卵4回、移植6回
1回目ショート法6個採卵、5個成熟卵、4個受精
 ①新鮮3日目8分割→陰性
 ②自然周期 凍結3日目8分割 2つ戻し→陰性
 ③ホルモン補充周期 凍結3日目8分割→陰性
2回目ショート法4個採卵、3個成熟卵、2個受精
 ④新鮮3日目8分割 2つ戻し→陰性
3回目ショート法3個採卵、3個成熟卵、1個受精
 ⑤新鮮3日目8分割→陰性
4回目ロング法3個採卵、2個成熟卵、2個受精、1つが胚盤胞
 ⑥新鮮胚盤胞移植→陽性反応→胎嚢確認までに化学流産(グレードは難しいから?教えて下さいませんでしたが教科書に載せれるくらいとっても綺麗な卵ですよと培養士さんのお墨付きでした)

毎回採れる卵が少ない為、胚盤胞まで育てず新鮮胚を移植してきました。胚盤胞まで育てるリスクより新鮮胚を移植する方が確率が高いというのが先生の考えです。この病院は基本全て顕微授精で、数が出来れば凍結しますが内膜の腫れ、厚さに問題なければ新鮮胚を移植します。陰性続きの為、4回目の採卵は卵が少なくても胚盤胞まで育てましょうとやっと言って下さり、胚盤胞まで育った1つの卵で人生初の陽性反応を頂きましたが、胎嚢確認の日、尿検査は陰性になり確認も出来ませんでした。
次、お休み周期を挟んで採卵を行う予定ですが、採卵方法は何で、移植は何が合っているのか。先生は陽性反応が出たからこのやり方は間違いないって事だよっておっしゃていましたが。AMHは測った事がなく血液検査も病院で出来ない為最初の検査の時にしたきりで採卵前も移植時も毎回ありません。卵巣機能は悪いです。注射は毎回フォルリモン、hMGと内診を挟みながら単位も変わりますが10日ほど通います。
松林先生が「妊娠した時と同じやり方で」とおっしゃるようにやはり陽性反応が出た胚盤胞で新鮮胚盤胞移植が良いでしょうか。凍結胚盤胞移植はした事がないのですが、どちらを薦めますか。
6回目の助成金も使い果たし血液検査がない事など転院も考えておりますが県内には不妊治療専門の病院が少なくすでに一度転院していて近くの病院はこの2件のみです。やはり遠方になると負担なる事が多く出来れば今の病院で妊娠したいと思っています。

A 凍結胚の方が新鮮胚よりどの年齢でも10%程度妊娠率は良いですから、私なら採卵数が少なかったとしても基本は凍結を推奨します。胚盤胞まで育てるリスクがあるのなら、初期胚(分割胚)での凍結です。これは、日本産科婦人科学会の全国データでしっかりと出ています。

ただ、ロング法の新鮮胚盤胞移植で陽性判定が出ていますので、同じやり方をトライするのが良いでしょう。できれば、血液検査をしっかり行いたいところですが、現在の事情を考えると今の病院で行うのが良いかと思います。