Q&A1058 移植に最適な条件は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q ホルモン補充周期や自然周期での移植の際に、内膜の測定意外に移植前のホルモン基準値のベストな数値はあるのでしょうか。
今まで4回移植をしましたが1度も着床したことがありません。子宮内膜炎も治療し、子宮鏡下ポリープ除去、邪魔にはなってないとの事でしたが筋腫も取りました。 血液凝固も引っかかりませんでした。毎回内膜の厚さで移植を決めているのでこのまま闇雲に移植しても?と疑問を感じています。

A 不思議に思われるかもしれませんが、移植に最適な条件は未だに明らかにされていません。内膜の見え方、厚さ、ホルモン値などに明確な根拠はなく、それぞれのクリニックで独自の基準を設けています。さらに、オプション検査も千差万別で、世界中の医師がそれぞれ試験的に行っています。ヒトの着床については何もわかっていないとお考えください。つまり、現在良かれと思って行っていることが、実は逆に悪かったということもあり得ます。どの方法が適しているかは定かではありませんから、私は、ワンパターンで同じことを続けるのではなく、様々な方法を試してみる作戦をとっています。それにより「正解」が見つかれば、その方法に固定します。同じことの繰り返しでは同じ結果が待っているだけです。