Q 夫33歳、妻32歳
23歳頃:橋本病と診断されましたが、ホルモンに異常なく、31歳まで経過観察でした。
結婚し31歳の頃から、子作りのためにチラージン1錠内服し、3カ月後タイミング法2周期で妊娠しましたが、心拍確認後8週で完全流産でした。その後7周期タイミング法を試みましたが、妊娠に至りません。
fT3 2.76、fT4 1.05、TSH 1.41、LH 3.7、FSH 7.3、プロラクチン 7.8、テストステロン 0.33、エストラジオール 52
2cmの子宮筋腫はあるが場所的に問題なし。
一度妊娠しておりおそらく両方もしくは片方の卵管は通っているだろうということと、橋本病があることから、卵管造影はやめましょうと言われました。不安だったのでせめて通水検査だけでもとお願いし、今周期リセット後に通水検査の予定です。
生理周期はほぼ安定しており、自力で排卵しているため薬は使っていません。
夫の精液検査はしていませんが、数回のフーナーテストのみで、特に問題ありません。
一度妊娠しているから、これ以上の検査やステップアップは今の所必要なく、もう少しタイミングで見ていきましょうといわれています。しかし、7周期タイミングもうまくとれているのに妊娠できないので不安です。転院も考えてはいるのですが、田舎暮らしで、違う病院となると往復4時間ほどかかり通院が厳しくなります。また今後、体外受精などが必要になると経済的に厳しいため、フルタイムで働き貯金をしているため、なかなか決断できずにいます。転院しもっと詳しく検査をしたり、ステップアップした方がよろしいでしょうか。精査となると他にどのような検査を受ければよろしいでしょうか。
A 少なくともステップアップが必要な時期にきていると思います。タイミング法2周期で妊娠された方が、7周期妊娠していないのは不自然です。このままタイミングを継続していても、いたずらに時間が過ぎるだけだと思います。その間にも卵子は老化してしまいます。まずは、現在通院先の病院でできることからやってみるのが良いと思います。
1 橋本病ですが、コントロールが良いようですから、水溶性の造影剤で一度卵管造影をしておきたいところです(油性の造影剤は残りますが、水溶性の造影剤はすぐに排出されますので心配はありません)。
2 自力で排卵している方でも、軽く卵子を育てる薬剤(いわゆる排卵誘発剤)を用いると、何も使わない時と比べ妊娠率が約2倍に増加しますので、使用してみる価値はあるでしょう。
3 現在通院中の病院でも人工授精はされているのではないかと思います。人工授精はタイミングの約2倍の妊娠率ですので、行ってみる価値はあると思います。
以上の治療を半年行っても妊娠に至らなければ、体外受精を考慮してください。助成金の増額もありますので、一度はチャレンジしてみることをお勧めいたします。